アシックスのスタビリティシューズの定番「ゲルカヤノ 33(ASICS GEL-KAYANO 33)」。買う前に迷うのは、サイズと足幅の選び方です。先に答えると、長さはいつものサイズでOK。幅が気になるならメンズはエクストラワイド、レディースはワイド、細い足にはナローも。国内外の実際に履いた人の報告をもとに、前作ゲルカヤノ 32との違い、普段履き、ゲルニンバス 28との違い、ライバルとの比べ方までまとめます。
Review
2層のクッションと新しいFLUIDSUPPORTで、
着地のブレを穏やかに支えるスタビリティの定番。
特におすすめなランナー
- 着地で足が内側に倒れやすい人
- 長い距離でフォームが崩れやすい人
- 足幅に合わせて幅を選びたい人
まずは結論とスペックから
このシューズがどんな一足なのか、評価と基本データを先に押さえます。
こんな疑問を解消します
ASICS GEL-KAYANO 33 基本スペック
GEL-KAYANO 33は、新しい安定機能「FLUIDSUPPORT」と2層のミッドソールを組み合わせた、アシックスのスタビリティ(安定性重視)のランニングシューズです。2026年6月11日にアシックスオンラインで先行発売され、6月18日から直営店や全国のスポーツ用品店で順次発売されました。レディースは約259g(公式)です。
| 価格 | 22,000円(税込) |
|---|---|
| 重量(メンズ) | 約298g(メンズ27.0cm片足/公式) |
| ミッドソール | 上層:FF BLAST MAX/下層:FF BLAST PLUS+ FLUIDSUPPORT・かかとにPureGEL |
| アッパー | エンジニアードメッシュ(タンは中底に縫い付け) |
| スタック / ドロップ | 靴底の最大の厚さ 約40mm(ドロップ8mm) |
| アウトソール | 中足部:ASICSGRIP/かかと:AHARPLUS |
前作 GEL-KAYANO 32 からの進化
結論として、GEL-KAYANO 33で一番変わったのは、支え方とミッドソールです。前作の安定機能「4D GUIDANCE SYSTEM」から、新しい「FLUIDSUPPORT」に変わりました。ミッドソールは前作のFF BLAST PLUSから、柔らかいFF BLAST MAXを上に、硬めのFF BLAST PLUSを下に重ねた2層になっています。中足部の内側には、4D GUIDANCE SYSTEMの考え方を受け継いだやわらかい素材が入っています。価格は前作と同じ22,000円で、重さもほぼ変わりません。
走った体感では、はっきり矯正される感じから、穏やかに導かれる感じに変わったという声がそろっています。国内のレビューでは「よりナチュラルでスムーズ」「カヤノらしい矯正感のある安定性は影を潜めた」という評価でした。海外では「32のほうが弾みがあった」という声が複数あります。海外のラボの計測ではタンが厚くなり、国内では紐の通し方が変わって締めやすくなったという声もあります。前作のしっかりした支えが好きだった人は、試し履きで確かめてください。
普段履き・ウォーキングにも使える?
先に答えると、普段履きやウォーキングにも向いています。走ると硬めに感じるという声がある一方、歩くと柔らかく感じるという評価は国内外でそろっています。
| 歩き心地 | 義肢装具士の資格を持つ靴店の店主が「歩き心地は最高」と評価。靴底の丸みに任せて歩くと、足・膝・腰がまっすぐ前を向く感覚がある |
|---|---|
| 雨の日 | 濡れたタイルの上でも滑りにくかったという国内の報告 |
| 立ち仕事 | 海外のレビュアーも、ランニングより歩く・立つ用途で評価が高い靴としている |
| 気をつけたい点 | アッパーは暖かく、夏は蒸れやすい。重さは片足約298g(27.0cm)と、ランニングシューズとしては重めの部類 |
ランニングに使うなら、ペースを上げない日のジョグや、長い距離をゆっくり走る日が中心です。ペース走やスピード練習は、下の「履き分け」で紹介する別の靴に任せてください。
ゲルニンバス 28との違いは?
同じアシックスで、価格も同じ22,000円のため、よく比べられるのがゲルニンバス 28です。結論から言うと、着地のブレを支えてほしいならゲルカヤノ 33、クッションを優先するならゲルニンバス 28です。
| ゲルカヤノ 33 | 22,000円/約298g(27.0cm)/靴底の最大の厚さ約40mm/ドロップ8mm。FLUIDSUPPORTで体重移動を支える |
|---|---|
| ゲルニンバス 28 | 22,000円/約281g(27.0cm)/靴底の最大の厚さ約43.5mm/ドロップ8mm。クッションを優先した作り |
ゲルカヤノ 33が向く人:着地で足がブレやすい/長い距離でフォームが崩れやすい/細めの足でナローも選びたい
ゲルニンバス 28が向く人:とにかく脚への衝撃を減らしたい/少しでも軽いほうがいい/厚いクッションが好き
アシックスはゲルカヤノ 33を「サポート性と快適性」を追求したモデルとしています。ゲルニンバス 28のほうが約17g軽く、靴底も約3.5mm厚いので、サポートより柔らかさと軽さを取りたい人はゲルニンバス 28が合います。ゲルニンバス 28については、こちらの記事で詳しく書いています。

各パーツの構造
ミッドソール
ミッドソールは2層です。上層には柔らかく反発に優れた「FF BLAST MAX」、下層には上層より硬い「FF BLAST PLUS」を使っています。これに新しい安定機能「FLUIDSUPPORT」を組み合わせ、中足部の内側にはやわらかい素材を入れて、フォームが乱れやすい疲れたときの走りを支えます。かかとの内部には、衝撃をやわらげる「PureGEL」が入っています。海外のラボの計測では、上層の柔らかさは平均より柔らかい一方、曲がりにくさ・ねじれにくさは平均よりかなり硬めでした。足当たりは柔らかく、土台はしっかりしたミッドソールです。
アッパー
アッパーは、部位ごとに編み方や孔の大きさを変えた「エンジニアードメッシュ」です。タンは内側からベルトのように中底に縫い付けられていて、甲を包み込みます。かかとは厚いパッドと硬いカウンターでしっかり固定されます。一方で、海外のラボの通気性の評価は平均より低めで、暖かい・蒸れやすいという声が国内外にあります。
アウトソール
アウトソールは、2種類のラバーを使い分けています。中足部にグリップ力のある「ASICSGRIP」、着地で力がかかりやすいかかとに、従来ラバーの約3倍の耐摩耗性という「AHARPLUS」を配置しています。アシックスは、着地から蹴り出しまでのしなやかな曲がりをコントロールする新しい設計としています。濡れたタイルでも滑りにくかったという国内の報告があります。
買う前に知っておきたいこと
サイズ感・実際の使用感・耐久性と、寿命を伸ばす履き分けの考え方です。
サイズ感はどう?
先に結論を言うと、長さはいつものサイズでOKです。前足部にはゆとりがあり、幅が広めの足でも窮屈になりにくい作りです。それでも幅がきついときは、メンズはエクストラワイド、レディースはワイドを選べます。細い足にはナローもあります。
いつものサイズ。幅はナロー〜エクストラワイドから
- 足幅(ワイズ):前足部はゆとりがあります。メンズはエクストラワイド、レディースはワイド、どちらもナロー(直営店舗限定)があります。
- 甲の高さ:タンが厚く、中底に縫い付けられているので、甲をしっかり包みます。甲を包む感じは強めです。
- 他ブランドとの比較:海外のラボの評価も「サイズどおり」。普段履いているランニングシューズと同じサイズで合ったという報告が多くあります。
- 特記事項:つま先は先細りで、つま先の補強が当たったという声があります。かかとは硬くしっかりしているので、かかとが敏感な人は試し履きを。
ワイド・エクストラワイド・ナローの選び方
ゲルカヤノ 33は、足幅の違うモデルが用意されています。メンズは「スタンダード」「エクストラワイド」「ナロー」、レディースは「スタンダード」「ワイド」「ナロー」です。アシックス公式オンラインストアでは、メンズの「ワイド」は見当たりませんでした(2026年10月時点)。
| メンズ | スタンダード/エクストラワイド/ナロー(ナローは直営店舗限定)。どれも22,000円 |
|---|---|
| レディース | スタンダード/ワイド/ナロー(ナローは直営店舗限定)。どれも22,000円 |
| 中敷き | エクストラワイドは、別売りの中敷きもエクストラワイド用になる |
スタンダードでも前足部にはゆとりがあり、「幅広の足でも窮屈ではない」という国内の声があります。スタンダードで小指の付け根が当たるならエクストラワイド(レディースはワイド)、かかとが浮くほど細い足ならナローを試すのが順番です。
実際に履いた人のサイズの報告
国内外の報告を並べると、長さはいつものサイズでよいという声がそろっています。気をつけたいのは、つま先の形と、かかとの硬さです。
| 長さ | いつものジャストサイズで合ったという報告が国内外で多い。海外のラボの評価も「サイズどおり」 |
|---|---|
| 足幅 | 前足部はゆとりがあり、幅広の足でも窮屈ではないという声。一方、つま先は先細りで、つま先の補強が内側に当たってマメができたという海外のレビュアーもいる |
| 甲・タン | タンは前作より厚くなり(ラボの計測で2.5mm→4.2mm)、内側からベルトで中底に縫い付けられている。甲を包む感じは強め |
| かかと | 厚いパッドと硬いカウンターでしっかり固定される。細い足ではかかとが少し抜け、紐を一番奥の穴に通して解決したという声もある |
迷ったら、いつものサイズで幅だけ選び直すのが失敗しにくい選び方です。つま先が当たりやすい人やかかとが敏感な人は、店頭で履いて確かめてください。
実際に履いたランナーの声
国内外のランナーの声を見ると、着地の安定感と、かかとまで包み込むフィットを評価する声が多い一方、支えが穏やかになったことや、走ったときの硬さ・重さを気にする声も見られました。
最大の魅力は安定感。接地面が広く、ブレを吸収して蹴り出しまで支えてくれる。足も疲れにくい
つま先から踵までしっかり包み込んでくれて安心感がある。踵やフラットに着地すると前に進みやすい
歩き心地は最高。走る靴だが、歩く用としても相性がいい
一方で、次のような気になる声もありました。
カヤノらしい矯正感のある安定性は影を潜めた。前足部はどちらかといえば硬め
歩くと柔らかいのに、走ると硬く感じる。ペースを上げるための靴ではない
倒れ込みが抑えられたぶん、2kmほど走ったら外くるぶしの前あたりに負担を感じた
耐久性は?約64kmまでの報告と減りやすい場所
ゲルカヤノ 33の耐久性は、今のところ平均並みからやや長持ちの部類と見られます。ただし発売から4か月ほどで、走った距離の報告は60km台までしかありません。
60km前後で摩耗は軽い。かかと外側から減る
- かかとに、従来ラバーの約3倍の耐摩耗性というAHARPLUSを配置。海外のラボの計測では、ラバーの厚さが平均より厚かった。
- 海外のラボの摩耗テストでは、削れは平均並み。約64kmでかかと外側に軽い摩耗が出たという報告がある。
- 上層のFF BLAST MAXは柔らかいフォーム。体重の重いランナーで前作ほど持つかはまだ分からないという指摘もある。
実際に走った人の報告:約64kmでかかとに軽い摩耗
ゲルカヤノ 33は2026年6月発売のため、今見つかる距離の報告は50km〜60km台までです。並べると、ミッドソールのへたりの報告は無く、アウトソールの減りも少ないという状況です。
| 約50km | 傷みの指摘はなし。たくさん走る前提の丈夫な作りという評価(海外のレビュアー) |
|---|---|
| 約60km | 目に見える摩耗はなし。ただし新しい柔らかいフォームが、体重の重いランナーで前作ほど長持ちするかは分からないとしている(海外のレビュアー) |
| 約64km | かかとの外側に軽い摩耗。ミッドソールはわずかになじんだ程度(海外のレビュアー) |
| ラボの計測 | アウトソールの摩耗テストで削れは1.1mm(平均並み)。ラバーの厚さは4.0mmと平均(3.1mm)より厚い |
減り始めの場所はかかとの外側です。かかとから着地する人は、かかと外側のラバーの減りを目安に見てください。ミッドソールがむき出しの部分があるので、海外のレビュアーは岩の多いトレイルでの使用を勧めていません。数百km走った報告が出たら、この表に追記します。
履き分けの重要性
GEL-KAYANO 33は、ゆっくり長く走る日やジョグの日に、着地を支えて脚を守るシューズです。ペースを上げる日とスピード練習の日に、同じアシックスの現行モデルを組み合わせると役割がはっきりします。
JOG / LONG
ジョグ〜ゆっくり長く走る日
FLUIDSUPPORTと2層のミッドソールで、疲れてフォームが崩れやすい後半も着地を支えます。距離を踏む日の主力です。
JOG / TEMPO
デイリージョグ〜ペース走の日
弾むクッションのデイリートレーナー。17,600円と手ごろで、GEL-KAYANO 33では重く感じるペースを上げる日を受け持ちます。
SPEED / RACE
スピード練習〜レースの日
カーボンプレートを入れた、軽いスピード練習用のモデル。テンポ走やインターバル、10km〜ハーフのレースを任せられます。
他の選択肢と比べてみる
練習メニュー別の相性と、ライバル2足との違いから最終判断します。
どんな練習に向いている?
結論から言うと、GEL-KAYANO 33が最も活きるのは、ペースを抑えて距離を踏む練習です。国内外のレビューは、ゆっくりのペースでの安定感を評価し、ペースを上げると硬さと重さが出るという点でそろっています。
接地面が広く、疲れてフォームが崩れやすい長い時間でも着地がブレにくい。
毎日のジョグを安定して走れます。普段履き・ウォーキングにも使えます。
少しペースを上げる程度ならこなせますが、反発は控えめです。
約298gと重く、速いペースでは硬くもっさり感じるという声が多い。
記録狙いには向きません。アシックスはフルマラソン完走を支える靴としていて、完走目標なら選択肢です。
ライバルシューズとの比較
同じ用途で比較されやすい2足と並べてみます。
GEL-KAYANO 33と比較したいシューズを選ぶ
Nike Structure Plus との違い
Structure Plusは、上にZoomX、下にReactXを重ねた2層のミッドソールを持つ、Nikeのスタビリティシューズです。価格は同じ22,000円で、重さもほぼ同じ(27cmで約291g)。2層のフォームで柔らかさと安定を両立させる考え方もGEL-KAYANO 33と同じです。違いはドロップで、Structure Plusは10mmと、2mm高くなっています。海外のラボの計測では、上層のフォームはStructure Plusのほうが柔らかめでした。より柔らかい足当たりを求めるならStructure Plus、ナローやエクストラワイドまで幅を選びたいならGEL-KAYANO 33です。
New Balance Fresh Foam X 860 v15 との違い
Fresh Foam X 860 v15は、2層のFresh Foam Xの間に板(Stability Plane)を入れて倒れ込みを支える、New Balanceのスタビリティシューズです。価格は4,070円安い一方、比較カードの重さは860 v15のほうが30gあまり重くなります。海外のレビューでは「支えは同じくらいで安いが、重く硬い。GEL-KAYANO 33のほうが軽快」と比べられていました。860 v15には、メンズで4Eの幅もあります。価格と4Eの幅広さを取るなら860 v15、軽さと足運びの軽快さを取るならGEL-KAYANO 33です。
よくある質問
Qサイズはいつもと同じでいいですか?
Aいつものサイズでちょうどいいという報告がほとんどです。海外のラボの評価も「サイズどおり」でした。前足部にはゆとりがありますが、つま先は先細りです。長さはいつもどおりにして、幅が合わなければワイドやナローを選び直してください。
Qワイドはありますか?メンズとレディースで違いますか?
Aメンズは「エクストラワイド」、レディースは「ワイド」があり、どちらも「ナロー」(直営店舗限定)もあります。価格はすべて22,000円です。アシックス公式オンラインストアでは、メンズの「ワイド」は見当たりませんでした(2026年10月時点)。前足部にゆとりがあるので、まずスタンダードを試し、幅がきついときにエクストラワイドやワイドを選ぶのがおすすめです。
Qゲルカヤノ 32から買い替える価値はありますか?
A穏やかに支えてくれる靴がほしいなら、買い替える価値があります。今作は2層のミッドソールで足当たりが柔らかくなり、「よりナチュラルでスムーズ」という評価です。一方、32のはっきりした支えや弾む感じが好きだった人には、物足りないという声もあります。価格は同じ22,000円で、重さもほぼ変わりません。
Q普段履きやウォーキングにも使えますか?
A使えます。歩くと柔らかく感じるという評価が国内外でそろっていて、靴店の店主も「歩き心地は最高」としています。濡れたタイルでも滑りにくかったという報告もあります。夏は蒸れやすいので注意してください。
Q発売日・価格・重さ・ドロップは?
A2026年6月11日にアシックスオンラインで先行発売され、6月18日から直営店や全国のスポーツ用品店で順次発売されました。価格は22,000円(税込)で、前作と同じです。重さはメンズ約298g(27.0cm)、レディース約259g、ドロップは8mmです。
まとめ
ゲルカヤノ 33(ASICS GEL-KAYANO 33)は、新しいFLUIDSUPPORTと2層のミッドソールで、ジョグやロング走の着地を穏やかに支えるスタビリティシューズです。前作のはっきりした支えから、柔らかい足当たりで自然に導く作りに変わりました。サイズはいつもどおりでよく、幅はメンズのエクストラワイド、レディースのワイド、ナローから選べます。
一方で、約298gと重めで反発は控えめ、速いペースには向きません。つま先は先細りで、夏は蒸れやすいことにも注意してください。ペースを上げる日はノヴァブラスト 6、スピード練習やレースの日はマジックスピード 5を組み合わせると、役割がはっきりします。サポートよりクッションと軽さを優先するなら、同じ価格のゲルニンバス 28も候補です。
[プロフィール]
- ラントク運営 じぇーぱぱ
- 中学、高校時代は100mを専門に活動
- 現在は週2回の練習で、12月のハーフ120分を目指して再スタート中
この靴を履いている方は、Xで教えてください。
