HOKAのプレート入り練習用シューズ「マッハ X 3(HOKA Mach X 3)」。検索では、サイズ感と重さ、プレートがカーボンかどうかがよく調べられています。先に答えると、長さはいつものサイズでよく、前足部は細め。重さは公式で288g、プレートはカーボンではなくPebaxです。国内外の実際に履いた人の報告をもとに、マッハ 7との違い、前作からの変化、どんな練習に向くか、ライバルとの比べ方までまとめます。
Review
厚いソールとしなるプレートで、
テンポ走やロング走を安定して押し進めるスーパートレーナー。
特におすすめなランナー
- テンポ走やロング走の質を上げたい人
- カーボンの硬さは苦手だがプレートの助けがほしい人
- 前作でかかとの擦れに悩んだ人
まずは結論とスペックから
このシューズがどんな一足なのか、評価と基本データを先に押さえます。
こんな疑問を解消します
HOKA Mach X 3 基本スペック
Mach X 3は、PEBAフォームとEVAフォームの2層の間にPebax®プレートを挟んだ厚底のスーパートレーナーです。日本では2025年9月1日に発売されました。プレートはカーボンではなく、しなりのあるPebax®です。
| 価格 | 25,300円(税込) |
|---|---|
| 重量(メンズ) | 288g(メンズ/公式。サイズの記載なし・国内のレビューでは28cmの値) |
| ミッドソール | PEBAフォーム(上層)+スーパークリティカルフォームEVA(下層) Pebax®プレート+メタロッカー |
| アッパー | ワープニット(織物素材) |
| スタック / ドロップ | ヒール44mm / フォア39mm(ドロップ5mm・海外のメーカー値。ラボ実測はかかと42.9mm) |
| アウトソール | コンプレッション成型ラバー |
前作 Mach X 2 からの進化
結論として、Mach X 3で変わったのはアッパーと価格で、ミッドソールとアウトソールは前作と同じです。HOKAは前モデルとの違いとして、タンを柔らかくし、アッパーの通気性を上げ、履き口回りを改良したとしています。価格は前作の30,800円から25,300円へ、5,500円下がりました。
走った体感では、前作で多かったかかとの擦れが改善したという評価が国内外でそろっています。前作で擦れに悩んだ海外のレビュアーも、今作では長い練習でも気にならなくなったと書いていました。一方、アッパーのパッドが増えた分、重さは20gほど増えています。前作より軽快さが落ちたと感じる人もいて、前作のかかとが問題なかった人には、買い替える理由は大きくないという声もあります。
重さ・厚さは?プレートはカーボン?
先に答えると、重さは公式で288g、厚さはかかと44mm・前足部39mm(ドロップ5mm)、プレートはカーボンではなくPebax®(ペバックス)です。日本の公式サイトには重さのサイズが書かれていませんが、国内のレビューでは28cmの値として紹介されています。
| 重さ | メンズ288g・レディース242g(公式)。27.0cmは265g前後で、海外のレビューではメンズUS9(27.0cm)で264〜269g。前作より20gほど重くなった |
|---|---|
| 厚さ | かかと44mm・前足部39mm(海外のメーカー値。レディースは42mm)。海外のラボの実測ではかかと42.9mm・前足部33.4mm |
| プレート | Pebax®プレート。上のPEBAフォームと下のEVAフォームの間に挟まる。カーボンより硬さが控えめで、しなる |
| 発売日・価格 | 2025年9月1日発売、25,300円(税込)。前作より5,500円安い |
プレートがカーボンではないので、レース用の靴のように強く弾き返す感触はありません。国内のレビューでは、跳ねるような反発ではなく、ストライドを伸ばして転がるように進む走りと書かれていました。海外のラボでは、プレートは硬さを出す部品というより、2つのフォームを分けて安定させる役割が大きいとされています。
マッハ 7との違いは?どっちを選ぶ?
名前は似ていますが、マッハ 7はプレートなしの軽いデイリートレーナー、マッハ X 3はプレートと厚いソールで長い距離を助けるスーパートレーナーで、役割が違います。共通しているのは、下の層に使っているスーパークリティカルフォームEVAくらいです。
| 価格 | マッハ X 3 25,300円/マッハ 7 17,600円(7,700円の差) |
|---|---|
| 重さ(28cm) | マッハ X 3 288g/マッハ 7 237g(51gの差) |
| 厚さ | マッハ X 3 44mm・39mm/マッハ 7 37mm・32mm(どちらも海外のメーカー値、ドロップは同じ5mm) |
| ミッドソール | マッハ X 3:PEBA+EVAの2層とPebax®プレート/マッハ 7:EVAの1層、プレートなし |
| ワイド | マッハ X 3:日本の公式サイトになし/マッハ 7:あり |
国内のレビューでは、前作のマッハ 6と比べて、プレートのない通常のマッハのほうが軽くて反応がよく軽快にペースが上がる一方、マッハ X 3は推進力とロッカーが強く、少しでも靴の助けがほしい人やレースを考えている人に向くとされていました。
マッハ X 3が向く人:ロング走やペース走で脚を守りながら進みたい/フルマラソン本番にも使いたい/前足部〜中足部で着地する
マッハ 7が向く人:軽さと身軽さを優先したい/毎日のジョグが中心/価格を抑えたい/足幅が広くワイドがほしい
各パーツの構造
ミッドソール
ミッドソールは、上の層に柔らかく反発のあるPEBAフォーム、下の層にやや硬めのスーパークリティカルフォームEVAを重ねた2層構造です。その間にPebax®プレートを挟み、つま先とかかとが反り上がったメタロッカーで前へ転がるように進みます。前足部はPEBAが多く弾みますが、かかとはEVAが中心で、海外のラボではかかと側の反発は控えめでした。前足部〜中足部で着地する人のほうが、弾みを感じやすい作りです。
アッパー
アッパーはワープニット(織物素材)。前作から作り直し、タンを柔らかくして、通気性と履き口回りを改良しました。かかと周りにパッドが入り、前作で多かった擦れが改善しています。一方、タンは靴に固定されていないためずれやすく、つま先周りは細めという声があります。
アウトソール
アウトソールはコンプレッション成型ラバーで、デザインは前作と同じです。海外のラボでは濡れた路面のグリップが前作より上がり、摩耗も少ない結果でした。ただし軽くするためにラバーを抜いた部分があり、むき出しのフォームの減りと、溝に小石が挟まりやすい点には注意が必要です。
買う前に知っておきたいこと
サイズ感・実際の使用感・耐久性と、寿命を伸ばす履き分けの考え方です。
サイズ感はどう?
先に結論を言うと、長さはいつものサイズが基本です。ただし前足部からつま先にかけては細めという声が多く、日本の公式サイトにはワイドがありません。足幅が広い人は、0.5cm大きいサイズも試してください。
いつものサイズ。幅が広い人は0.5cm上げも試着で
- 足幅(ワイズ):海外のラボの計測では、足の幅・つま先の幅とも平均より狭め。「幅はやや細め」という声が多い一方、「つま先は思ったより広い」という人もいます。
- 甲の高さ:タンは柔らかくなりましたが、両脇が靴に固定されていない(ガセットなし)ため、紐をゆるく結ぶとずれやすいという声があります。紐はしっかり締めるのがおすすめです。
- かかと:前作で擦れの原因になったかかと周りを作り直し、ずれずに収まるという評価です。
- 特記事項:日本の公式サイトにワイドはありません(海外ではワイドあり)。
実際に履いた人のサイズの報告
サイズについて書いた報告は海外のものが中心です。並べると、長さはいつものサイズでよく、前足部からつま先にかけては細めという評価です。ただし、つま先は「思ったより広い」という人もいて、幅の感じ方は分かれました。
| 長さ | 普段どおりのサイズでよいという報告が多い(海外のレビュー5件以上)。海外のラボの購入者投票では「やや小さい」が多め |
|---|---|
| 足幅 | 海外のラボの計測では、足の幅・つま先の幅とも平均より狭い。「幅はやや細め」「母指球から前がもう少し広いとよい」という声。一方で「つま先は思ったより広い」という人も |
| つま先の高さ | ラボの計測では平均より高い。一方で「つま先の上の空間が低くタイト」と感じた人もいる |
| かかと | 前作で問題になったかかとの擦れは改善した、という声がそろっている。ずれずに収まる |
| ワイド | 日本の公式サイトにはワイドがない(海外ではワイドあり) |
日本ではワイドを選べないので、足幅が広い人は、いつものサイズと0.5cm大きいサイズを店頭で履き比べてください。長い距離では足がむくむので、ロング走に使う予定なら、つま先の余裕を少し多めに見ておくと安心です。
実際に履いたランナーの声
国内外のランナーの声を見ると、厚いクッションと安定感、かかとの擦れの改善を評価する声が多い一方、重さと、つま先の細さを気にする声も見られました。
前作でかかとを傷めた問題が消え、長い練習でも擦れやマメを気にせず走れるようになった
マラソンからハーフ、10km、5kmのペースまで気持ちよく走れる。脚を守りながら速く走れるのでレースにも使える
中足部の外側あたりで着地すると、自然に前へ転がしてくれるような推進力がある
一方で、次のような気になる声もありました。
スーパートレーナーとしては重い。あと20gくらい軽くしてくれないと使いづらい
つま先が細く、長い距離では足指を広げにくい
タンが靴に固定されていないので、紐をゆるく結ぶとずれてくる
耐久性は?160km前後までの報告と減りやすい場所
マッハ X 3の耐久性は、160km前後までは減りがわずかで、ラバーは減りにくいと見られます。ただし、ラバーの無いむき出しのフォームと、つま先のアッパーは弱めです。
160km前後まで減りはわずか。むき出しの部分とつま先に注意
- コンプレッション成型ラバーが厚く、海外のラボの摩耗テストでも削れは平均より少なかった。
- 一方、軽くするためにラバーを抜いた部分があり、むき出しのフォームの減りを気にする声がある。小石も挟まりやすい。
- 海外のラボでは、つま先のアッパーの耐久テストが5段階で2。かかとのパッドは4と丈夫。
実際に走った人の報告:160km前後でも減りはわずか
今見つかる距離の報告は約160kmまでです。並べると、ラバーはほとんど減らず、気になるのはラバーの無いむき出しのフォームとつま先のアッパーという評価です。
| 約50〜65km | ジョグから速い練習まで使い、ラバーとソールの持ちは良いという評価(海外のレビュアー) |
|---|---|
| 約100km | 足になじんできたという報告。かかとの外側が先に減る癖がある人は、その部分を見守るとしている |
| 約160km | 減りはわずか。よくできたデイリートレーナーと同じくらい、約640kmは持ちそうという見込み(海外のレビュアー) |
| ラボの計測 | アウトソールの摩耗テストで削れは0.8mm(平均1.1mmより少ない)。ゴムの厚さは2.5mm。つま先のアッパーの耐久テストは5段階で2、かかとは4 |
ラバーが厚いことから、800km近くまで持ちそうと見る海外のレビュアーもいます。ただし、どれも見込みで、マッハ X 3を数百km走った実際の報告はまだ見つかりません。報告が出たら、この表に追記します。
履き分けの重要性
Mach X 3は、テンポ走やロング走のように、ペースを保って長く走る日を受け持つシューズです。疲れを抜く日とレース本番に、同じHOKAの現行モデルを組み合わせると役割がはっきりします。
TEMPO / LONG
テンポ走・ロング走の日
かかと44mmの厚いソールとPebax®プレートで、脚を守りながらペースを保てます。ジョグからペース走まで使える主力です。
RECOVERY
疲労抜き・リカバリージョグの日
HOKAが「最上級のクッション性」とするモデル。プレートの入っていない柔らかい靴で、疲れた脚をゆっくり動かす日を受け持ちます。
RACE
レース本番の日
カーボンプレートを入れた、HOKAのレース用モデル(30,800円)。マッハ X 3よりかなり軽く、どこで着地しても走りやすい安定感があり、本番で速く走りたい日に合わせられます。
他の選択肢と比べてみる
練習メニュー別の相性と、ライバル2足との違いから最終判断します。
どんな練習に向いている?
結論から言うと、Mach X 3が最も活きるのは、テンポ走・ペース走と、ペースを保つロング走です。国内のレビューではキロ3分半〜5分半、海外のレビューではキロ4〜5分が一番合うとされていました。
クッションと安定感があり走れる。ただ重さがあり、ゆっくり走る日はペースが上がりがちという声も。
ジョグのペースでも十分使える。ただし軽い靴のような身軽さはない。
最も合う練習。10kmのテンポ走(キロ3分50秒前後)でも重さが気にならなかったという声。
こなせるが、重さで軽快さは落ちる。強いバウンスで高強度の練習をしたい人には物足りない。
国内ではサブ3.5〜サブ5のフルマラソンが目安とされる。より速さを求めるならレース用の靴を。
ライバルシューズとの比較
同じ用途で比較されやすい2足と並べてみます。
Mach X 3と比較したいシューズを選ぶ
ASICS MAGIC SPEED 5 との違い
MAGIC SPEED 5は、カーボンプレートを入れたASICSの軽いスピード練習用シューズです。27cm相当でMach X 3より70gほど軽く、価格も5,500円安くなります。厚さはどちらもメーカーの公表値で、Mach X 3がかかとで6.5mm厚く、ドロップはMAGIC SPEED 5が7mm、Mach X 3が5mmです。MAGIC SPEED 5は硬めで地面を押した分だけ返る感触、Mach X 3は厚いクッションとしなるプレートで安定して転がる感触です。軽さと速いペースでのキレを取るならMAGIC SPEED 5、脚を守りながら長い距離をペースよく走りたいならMach X 3です。
New Balance SuperComp Rebel v1 との違い
SuperComp Rebel v1は、プレートを入れて柔らかく弾むNew Balanceのスピードシューズです。27cm相当でMach X 3より47gほど軽く、価格は1,320円安くなります。厚さはどちらもメーカーの公表値で、Mach X 3がかかとで4mm厚くなります。Rebel v1は深く沈んでから弾み返す感触、Mach X 3は下の層のEVAが支えて沈み込みすぎず、安定して進む感触です。軽さと弾む楽しさを取るならSuperComp Rebel v1、厚さと安定感で長い距離を走りたいならMach X 3です。
よくある質問
Qワイドモデルはありますか?
A日本の公式サイトには、ワイドはありません(海外ではワイドが販売されています)。前足部からつま先にかけて細めという声が多いので、足幅が広い人は、いつものサイズと0.5cm大きいサイズを履き比べてください。幅の広さを優先するなら、ワイドのあるマッハ 7も候補です。
Qプレートはカーボンですか?
Aカーボンではなく、Pebax®プレートです。上のPEBAフォームと下のEVAフォームの間に挟まっています。カーボンより硬さが控えめでしなるため、レース用の靴のように強く弾き返す感触はなく、厚底でも安定して前へ転がる走りになります。
Qマッハ X 2から買い替える価値はありますか?
A前作でかかとの擦れに悩んだなら、買い替える価値があります。かかと周りを作り直し、擦れが改善したという声がそろっています。ミッドソールとアウトソールは同じなので、前作のかかとが問題なかった人は、無理に買い替える必要はありません。重さは今作のほうが20gほど重くなっています。
Qフルマラソン本番に使えますか?
A使えます。国内のレビューではサブ3.5〜サブ5のフルマラソンが目安とされ、海外のレビューでもマラソン本番の代わりになるとされていました。厚いソールで脚を守れるのが強みです。ただし重さは288g(28cm)あるので、より速いタイムを狙うなら、カーボンプレートのレース用シューズのほうが有利です。
Q発売日と価格、重さは?
A日本では2025年9月1日に発売され、価格は25,300円(税込)です。前作より5,500円安くなりました。重さは公式でメンズ288g、レディース242g(サイズの記載なし。メンズは国内のレビューでは28cmの値)。メンズは25.0〜29.0cmと30.0cmで展開されています。
まとめ
マッハ X 3(HOKA Mach X 3)は、PEBAとEVAの2層フォームの間にPebax®プレートを挟んだ、かかと44mmの厚底スーパートレーナーです。テンポ走やロング走を中心に、ジョグからフルマラソン本番まで使え、厚底でもぶれにくい安定感があります。前作マッハ X 2からはかかと周りが作り直されて擦れが改善し、価格も5,500円下がりました。
一方で、重さは288g(28cm)と重めで、前足部も細めです。日本ではワイドが無いので、足幅が広い人は0.5cm大きいサイズも試してください。軽さを優先するならマッハ 7、疲れを抜く日はボンダイ 9、レース本番はロケット X 3を組み合わせると、役割がはっきりします。
[プロフィール]
- ラントク運営 じぇーぱぱ
- 中学、高校時代は100mを専門に活動
- 現在は週2回の練習で、12月のハーフ120分を目指して再スタート中
この靴を履いている方は、Xで教えてください。
