adidasのフルマラソン用レーシングシューズ「アディオス プロ 4(Adizero Adios Pro 4)」。3万円近いシューズなので、何km持つのかは買う前に一番気になるところです。先に答えると、寿命の目安は300km前後。実際に200〜320km走ったランナーの報告をもとにその根拠を示し、サイズ感やライバルとの違い、2026年9月に発表された後継のPro 5との関係までまとめます。
Review
柔らかいクッションと5本指のロッドで、
後半まで脚を残すフルマラソンの勝負靴。
特におすすめなランナー
- フルマラソンで自己ベストを狙う人
- レース後半の失速を減らしたい人
- 足幅が標準〜細めの人
まずは結論とスペックから
このシューズがどんな一足なのか、評価と基本データを先に押さえます。
こんな疑問を解消します
adidas Adizero Adios Pro 4 基本スペック
Adizero Adios Pro 4は、カーボン製の5本指ロッド「ENERGYRODS 2.0」を2層のLIGHTSTRIKE PROで挟んだ、フルマラソン用のレーシングシューズです。前作より柔らかいクッションになり、着地から蹴り出しまでが前に転がるように設計されています。
| 価格 | 28,600円(税込) |
|---|---|
| 重量(メンズ) | 約200g(27.0cm片足/公式) |
| ミッドソール | LIGHTSTRIKE PRO(2層)+ ENERGYRODS 2.0 |
| アッパー | LIGHTLOCK(伸縮性のあるメッシュ) |
| スタック / ドロップ | ヒール39mm / フォア33mm(ドロップ6mm) |
| アウトソール | Lighttraxion + つま先にContinentalラバー |
前作 Adizero Adios Pro 3 からの進化
結論として、Adizero Adios Pro 4で一番変わったのはクッションの柔らかさです。海外のラボの計測でも、ミッドソールは前作よりはっきり柔らかい値になっています。あわせてアッパーが伸縮性のあるLIGHTLOCKに変わり、かかとと足先は前作より細く絞られました。
走った体感としては、前作で感じた接地の硬さが減り、着地が柔らかくなったという声が多く見られます。脚へのダメージが減ったぶん、フルマラソン後半に粘りやすくなりました。一方で、かかとが細くなったため、疲れてかかと着地になったときの安定感は前作より下がっています。
後継のPro 5と何が違う?今買うならどっち?
2026年9月22日に、後継の「Adizero Adios Pro 5」が発表されました。Pro 4より軽く、柔らかくなっています。ただし日本での発売日は未定で、海外ではつま先の摩耗を指摘する声も出ています。
| Pro 4 | Pro 5 | |
| 重さ(27cm) | 約200g | 約177g(約12%軽い) |
| 厚さ / ドロップ | ヒール39mm / 前足部33mm(6mm) | ヒール39mm / 前足部35mm(4mm) |
| カーボン | 5本指のロッド(ENERGYRODS 2.0) | 靴の縁を囲む形(ENERGYRIM) |
| クッション | 柔らかい | さらに柔らかい |
| かかと | 細く、かかと着地に不安定 | 不安定さが改善したという評価 |
| 耐久性の報告 | 300km前後まで反発が残る | つま先外側のフォームが早く削れるという報告 |
| 価格 | 28,600円(税込) | 275ドル(約44,000円)※日本未発売 |
| 日本での発売 | 販売中 | 未定(2026年9月時点) |
重さとエネルギーリターンはアディダスの発表、厚さ・ドロップと走りの感想は海外のレビューによるものです。海外のレビューでは、長い距離ではPro 5のほうがなめらかだという評価がある一方、短い距離の速いペースではPro 4のほうがキレがある、という声もあります。足先はわずかに広がったとされていますが、まだ細めだという声もあります。
Pro 5で指摘されている耐久性の問題
海外のレビュアーの1人は、ロードで走り込んだあと、つま先の外側のゴムで覆われていない部分に「許容できない」摩耗が出たとして、「この価格では勧められない」と評価を下げました。走りの性能にはまだ影響がないそうです。別のレビューでも、約56km(35マイル)の時点で前足部のむき出しのフォームに早い摩耗が見られました(ミッドソール自体は問題なし)。
発売から1週間ほどの報告なので、どこまで広がる問題かはまだ分かりません。
今シーズンのレースに使うなら、今買えて300km前後までの報告が揃っているPro 4が確実です。Pro 5は、日本での発売と耐久性の続報を待ってから決めても遅くありません。
各パーツの構造
ミッドソール
ミッドソールは、高反発素材のLIGHTSTRIKE PROを2層に重ね、その間に足の骨の形を模した5本指のカーボンロッド「ENERGYRODS 2.0」を挟んだ構造です。1枚板のカーボンプレートと違い、ロッドが足の自然なしなりについてくるため、着地から蹴り出しまでの体重移動がなめらかです。ロッカー形状(つま先が反り上がった形)と組み合わせて、前に転がるように進みます。
アッパー
アッパーは伸縮性のあるメッシュ「LIGHTLOCK」。足に沿って伸びるので、前作で指摘されたアッパーの硬さや擦れが減りました。ただし足先は前作より細く絞られているため、足幅の広い人はきつく感じることがあります。
アウトソール
アウトソールは、軽さを優先したLighttraxionを全体に使い、蹴り出しで力がかかるつま先にだけContinentalラバーを配置しています。濡れた路面でも滑りにくく、摩耗にも強いのが特徴です。
買う前に知っておきたいこと
サイズ感・実際の使用感・耐久性と、寿命を伸ばす履き分けの考え方です。
サイズ感はどう?
先に結論を言うと、足幅が標準〜細めならいつものサイズでOKです。足先とかかとが前作より細くなっているため、足幅が広い人や甲が高い人は0.5cm大きめも候補になります。レース用なので、できれば試し履きしてから選んでください。
標準〜細めの足ならいつものサイズ
- 足幅(ワイズ):細めです。つま先周りは前作より細く絞られていて、海外のレビューでも「やや小さめ」と感じる人が多くいます。
- 甲の高さ:標準的です。アッパーに伸縮性があるので、甲の高さはある程度吸収してくれます。
- 他ブランドとの比較:ASICSやNikeと同じサイズでおおむね合いますが、前足部の絞り込みはこちらのほうが強めです。
- 特記事項:長時間はくと小指側が当たるという声があります。フルマラソンで使うなら、長めの距離を一度試してから本番に使うと安心です。
実際に履いたランナーの声
国内外のランナーの声を見ると、クッションの柔らかさとレース後半の脚の残り方を評価する声が多い一方、足幅の細さと低速での扱いにくさを指摘する声も見られました。
前作よりクッションが柔らかく、フルマラソンの後半でも脚がしっかり残った
反発が強くスピードに乗りやすい。ロッドのおかげで足が前に転がっていく
アッパーが伸びて足に吸い付くようにフィットし、長い距離でもストレスがない
一方で、次のような気になる声もありました。
ロッドの推進力が強いぶん、疲れてペースが落ちると自分の脚力頼みになり重く感じる
adidasらしい細身の作りで、幅の広い足だと長時間はくと窮屈になる
ジョグのような遅いペースだと反発を持て余して、接地が不安定になる
寿命は何km?耐久性の目安
アディオス プロ 4の寿命は、300km前後が一つの目安です。アウトソールは減りにくく、先に来るのはミッドソールとロッドのほうです。
300km前後が目安。本番とポイント練習に温存
- つま先のContinentalラバーは減りにくく、ラボの摩耗テストでも削れはごくわずか。ソールが先に削れて使えなくなることは少ない。
- ミッドソールは200〜300kmでも反発が残っているという報告がある一方、320kmで異音が出て引退した例もある。
- ジョグやロング走で距離を重ねると早く消耗する。レース本番とポイント練習に絞るのが長持ちさせるコツ。
実際に走った人の報告:300kmまでは反発が残る
耐久性の数字は、メーカーから公表されていません。アディダスも「一概に製品寿命を位置づけられない」という立場です。そこで、実際に距離を走ったランナーの報告を並べました。300km前後までは反発が残っているという報告が多く、320kmで異音が出て引退した例があります。
| 約200km | へたりはそれほど感じない(レースとポイント練習に限定して使用) |
|---|---|
| 300km | ミッドソールに反発ジワが出始めたが、沈み込みと反発は健在。アウトソールの溝も思ったより残っている |
| 320km | 走るたびに「パキッ」という音が出るように。メーカーに実物を送った結果は「走行による劣化」で、ここで引退 |
| アウトソール | 海外のラボの摩耗テストでは削れが0.8mmとごくわずか。先にくるのはソールではなくミッドソールのほう |
320kmで引退したランナーは、テンポ走やロング走にも使っていたうえ、アウトソールの中央が減る走り方だったと振り返っています。同じ距離でも、使い方と走り方で寿命は変わります。長く使いたいなら、フルマラソンの本番とポイント練習に絞ってください。
履き分けの重要性
Adizero Adios Pro 4は3万円近いうえ、300km前後で役目を終えるシューズです。毎日の練習には同じadidasの現行モデルを組み合わせて、ここぞという日に温存するのがおすすめです。
RACE / SPEED
レース本番〜ポイント練習の日
柔らかいクッションと前に転がる推進力を活かし、自己ベストを狙うレースや、レースペースで走るポイント練習に使います。
RECOVERY / JOG
疲労抜き〜軽いジョグの日
カーボンやロッドの入っていない、クセのないクッション。ポイント練習の翌日の軽いジョグで脚を休ませられます。
他の選択肢と比べてみる
練習メニュー別の相性と、ライバル2足との違いから最終判断します。
どんな練習に向いている?
結論から言うと、Adizero Adios Pro 4が最も活きるのはレース本番とレースペースの練習です。ペースが上がるほど、ロッドの推進力を引き出せます。
反発が強く、ゆっくり走るとフォームが崩れやすい。寿命ももったいない。
走れなくはないが、300km前後の寿命を日々のジョグで使うのは損です。
レースペースを楽に保ちやすく、本番前の確認にも向いています。
速いペースにも対応できますが、短い距離ならより軽いシューズのほうが扱いやすい。
ハーフからフルマラソンまで。後半まで脚を残したいレースで真価を発揮します。
ライバルシューズとの比較
同じ用途で比較されやすい2足と並べてみます。
Adizero Adios Pro 4と比較したいシューズを選ぶ
ASICS METASPEED SKY TOKYO との違い
METASPEED SKY TOKYOは、片足170gと30gほど軽く、フラットなカーボンプレートの反発で歩幅を伸ばすシューズです。Adizero Adios Pro 4は、ロッドとロッカー形状で足を前に転がし、柔らかいクッションで脚へのダメージを抑える方向です。軽さと強い反発で歩幅を伸ばしたいならMETASPEED SKY TOKYO、後半まで脚を残してなめらかに走りたいならAdizero Adios Pro 4です。
Nike Alphafly 3 との違い
Alphafly 3は、前足部のAir Zoomユニットが強く跳ね返す、トランポリンのような反発が特徴です。重さはほぼ同じですが、価格は1万円ほど高くなります。Adizero Adios Pro 4の反発はフォーム全体で受け止めて返す穏やかなもので、着地のクセが少なく、ペースの上げ下げがあるコースでも扱いやすいのが強みです。強いバウンドに身を任せたいならAlphafly 3、クセの少ない走りで後半まで粘りたいならAdizero Adios Pro 4です。
よくある質問
QAdios Pro 5が発表されましたが、今Pro 4を買ってもいいですか?
APro 5は2026年9月22日に発表され、Pro 4より約12%軽い約177g(27cm)になりました。ただし、日本での発売日は未定とされています(2026年9月時点)。海外ではつま先の外側が早く削れるという報告もあるので、次のレースが近いなら、今買えて耐久性の報告も揃っているPro 4を選ぶのが現実的です。
Q何kmで買い替えればいいですか?
A300km前後を目安に、反発が弱くなった・異音が出たと感じたら買い替えどきです。アウトソールより先にミッドソールが弱るので、ソールの減りだけで判断しないようにしてください。
Qサブ4を目指すレベルでもフルマラソンで履けますか?
A履けます。柔らかいクッションで脚を守ってくれるので、後半の失速を減らしたい人には向いています。ただしロッドの推進力を活かすには、ある程度のペースで走れる脚力が必要です。本番前に、ペース走で一度感覚を確かめておきましょう。
Q足幅が広いのですが、はけますか?
A足先が細く絞られているので、幅の広い足だと窮屈に感じる可能性があります。0.5cm大きめを試すか、店頭で試し履きしてから選ぶのがおすすめです。
Q雨の日のレースでも滑りませんか?
Aつま先にContinentalラバーを使っているため、濡れた路面でもグリップは良好です。ただしかかとが細いので、雨のカーブではかかとから着地しないよう注意してください。
まとめ
アディオス プロ 4(Adizero Adios Pro 4)は、前作より柔らかくなったクッションと5本指のロッドで、フルマラソンの後半まで脚を残すことに強いレーシングシューズです。寿命は300km前後が目安で、アウトソールは長持ちします。本番とポイント練習に絞って使うのが長持ちのコツです。
一方で、足先とかかとが細く、足幅の広い人やかかとから着地する人は合わないことがあります。後継のPro 5は軽く柔らかくなったものの、日本での発売日は未定で、海外ではつま先の摩耗も指摘されています。今シーズンのレースに使うならPro 4が確実な選択です。毎日の練習にはAdizero Boston 13やAdizero SL 2を組み合わせて、ここぞという日に温存してください。
[プロフィール]
- ラントク運営 じぇーぱぱ
- 中学、高校時代は100mを専門に活動
- 現在は週2回の練習で、12月のハーフ120分を目指して再スタート中
この靴を履いている方は、Xで教えてください。
