ASICSの新しいレース用シューズ「ヨギリスピード(ASICS YOGIRI SPEED)」。サイズ選びとマジックスピード5との違いが、買う前に一番迷うところです。先に答えると、サイズは、いつもと同じが基本。ただしワイドはなく、全体にタイトなので、幅広・甲高の人は試し履きを。マジックスピード5とは素材が同じで、量と形が違います。実際に履いた人の報告をもとに、選び分けの目安、前作S4+ YOGIRIからの進化、サブ4で使えるかまでまとめます。
Review
FF LEAPとカーボンで、
前作より約13g軽く弾むレース靴。
特におすすめなランナー
- サブ4を狙ってフルを走る人
- 前作S4+ YOGIRIより軽く弾む靴が欲しい人
- マジックスピード5と迷っている人
まずは結論とスペックから
このシューズがどんな一足なのか、評価と基本データを先に押さえます。
こんな疑問を解消します
ASICS YOGIRI SPEED 基本スペック
YOGIRI SPEEDは、上層のFF LEAPと下層のFF BLAST PLUSの間にフルレングスのカーボンプレートを挟んだ、サブ4をめざすランナー向けのレース用シューズです。2026年9月に発売され、前作より約13g軽くなりました。
| 価格 | 24,200円(税込) |
|---|---|
| 重量(メンズ) | 約227g(メンズ27.0cm片足/公式) |
| ミッドソール | 2層構造(上層FF LEAP+下層FF BLAST PLUS)+ フルレングスのカーボンプレート |
| アッパー | エンジニアードメッシュ(部位ごとに編み方と孔の大きさを変えている) |
| スタック / ドロップ | ヒール39.5mm / フォア34.5mm(ドロップ5mm) |
| アウトソール | ASICSGRIP(中部〜かかとの接地面を拡大) |
前作 S4+ YOGIRI からの進化
結論として、YOGIRI SPEEDで一番変わったのはミッドソールの素材です。上層をFF TURBO PLUSからFF LEAPに、下層をFLYTEFOAMからFF BLAST PLUSに替えました。カーボンプレートはかかと部が二股に分かれた形に変わり、重さは約240gから約227gに、約13g軽くなっています。価格は22,000円から24,200円と、2,200円上がりました。
走った体感について、Runtripは、前作の「やや硬め」な印象が上層のFF LEAPで解消されたとしています。ichiumablogも、前作より柔らかく反発があるとしています。一方で、サイズはタイトです。Runtripは前作よりややタイトと書いており、前作をゆったり履いていた人には試着を勧めています。厚さはかかとが同じ39.5mm、前足部が33.5mmから34.5mmに、ドロップは6mmから5mmに変わりました。
マジックスピード5とどっちを選ぶ?
素材の組み合わせ(上層FF LEAP+下層FF BLAST PLUS+カーボン)は、2足とも同じです。違いは量と形で、YOGIRI SPEEDは前足部が4mm厚く、約31g重く、4,400円高くなっています。
| YOGIRI SPEED / MAGIC SPEED 5 | |
| 価格 | 24,200円 / 19,800円 |
| 重さ(27.0cm片足) | 約227g / 約196g |
| 厚さ(かかと・前足部) | 39.5mm・34.5mm / 37.5mm・30.5mm |
| ドロップ | 5mm / 7mm |
| 素材 | どちらも FF LEAP+FF BLAST PLUS+カーボン |
国内のレビューを並べると、選び分けはほぼ同じ方向にそろっています。
- Runtripのランニングコーチ・大野颯さん(26.5cm)は、反発やクッションを重視するならYOGIRI SPEED、走りやすさやコントロールのしやすさを重視するならMAGIC SPEED 5としています。
- sub-3-runningは、ストライドで走る人はYOGIRI SPEED、ピッチで走る人はMAGIC SPEED 5と書き、迷うなら価格の面でMAGIC SPEED 5がお得という見方です。
- フルの自己ベスト2時間47分のtomo.runの筆者は、YOGIRI SPEEDのほうがFF LEAPの量が多く、安定感と推進力が上だと書いています。MAGIC SPEED 5は自分にはあまり合わなかったそうです。
フルマラソン本番で後半まで脚を残したいならYOGIRI SPEED。5〜10kmやスピード練習も1足でこなしたいならMAGIC SPEED 5が目安です。
各パーツの構造
ミッドソール
ミッドソールは2層構造で、上層に「FF LEAP」、下層に「FF BLAST PLUS」を使い、その間にフルレングスのカーボンプレートを挟んでいます。プレートはかかと部が二股に分かれたセパレート形状に変わりました。ichiumablogによると、前足部にFF LEAPを集めた作りで、MAGIC SPEED 5は上下を均等に分けています。tomo.runは、YOGIRI SPEEDのほうがFF LEAPのボリュームがあると書いています。
アッパー
アッパーはエンジニアードメッシュで、部位ごとに編み方と孔の大きさを変えています。tomo.runの筆者は、アキレス腱まわりのパッドが厚くホールドが良い一方、シュータンは薄い(一部パッドで補強)と書いています。Runtripは前作よりややタイトと書いているので、足入れは試して確かめてください。
アウトソール
アウトソールは前作と同じ「ASICSGRIP」です。公式によると、中部からかかとの接地面を広げ、中部の内側にもラバーを足しました。接地面が大きいと感じるというレビューがある一方、ソール全体の幅は狭いという海外の評価もあります。
買う前に知っておきたいこと
サイズ感・実際の使用感・耐久性と、寿命を伸ばす履き分けの考え方です。
サイズ感はどう?
先に結論を言うと、長さはいつものサイズが基本です。ただしレース靴らしく全体にタイトで、Runtripは前作よりややタイトと書いています。ワイドは出ていません。幅広の人や甲が高い人は、店で試し履きをしてから選んでください。
いつものサイズが基本。全体にタイトなので幅広・甲高は0.5cm上も
- 足幅(ワイズ):スタンダードのみで、ワイドはありません。Runtripは前作よりややタイトと書いています。前作との比較ではありませんが、unattachedrunnerは足幅・かかと周りが細身、ichiumablogは全体にタイトと書いています。
- 甲の高さ:海外の計測では、つま先の高さが低く、指の上がこすれることがあるとされています。甲の高い足ほど気になりやすい部分です。
- 他のレース靴との比較:ichiumablogはMAGIC SPEED 5に近いタイトさ、unattachedrunnerはメタスピード TOKYOとほぼ同じ足型と書いています。
- 特記事項:tomo.runの筆者は、25.5cmが窮屈で26.0cmに買い直しました。サイズ選びは下の表の報告も参考にしてください。
ワイドはある?実際に履いた人のサイズの報告
ワイドは出ていません。公式の発表はスタンダードのみです。Runtripは前作よりややタイトと書いています。幅広の人やゆったり履きたい人は、店で試し履きをしてから選んでください。
| tomo.run(フル2時間47分の40代。普段はスタンダード26.0cm/ワイド25.5cm) | 25.5cmを買ったが、家で履くと窮屈で、26.0cmに買い直した。26.0cmは「つま先周りはスペース的にちょうどよく」、土踏まずの周りは「ギリギリ収まる感覚」 |
|---|---|
| ichiumablog(足の実寸26.0cm) | 27.0cmを選んだ。全体にタイトでMAGIC SPEED 5に近い。27.5cmはかかとが緩かった。幅広の足には細く感じるかもしれないと書いている |
| Runtrip(ランニングコーチの大野颯さん) | 26.5cmを履いた。前作よりややタイトで、普段の26.5cmだとやや窮屈。前作をゆったり履いていた人は試着を勧めている |
| unattachedrunner(中距離の日本選手権出場経験あり) | 普段のサイズでフィットした。レース靴らしいタイトさで、足型はメタスピード TOKYOとほぼ同じ。長時間の練習中心なら0.5cm上げてもよいという見立て |
| RTINGS(海外の計測。US9) | 長さはほぼ表記どおり。前足部の幅はレース靴としては広めだが、つま先の高さが低く、指の上がこすれることがある(甲の高い足ほど) |
長さは、いつものサイズが基本です。全体にタイトなレース靴の作りなので、前作でちょうどよかった〜きつめだった人や、甲が高い人は、0.5cm上も試してください。
実際に履いたランナーの声
国内外の報告を見ると、接地の安定感と、サブ4ペースでの転がりやすさを評価する声が多い一方、接地面の狭さとサイズのタイトさを気にする声も見られました。
接地面が大きく、どっしりと地面を捉えてくれる。アーチサポートで内側への倒れ込みが抑えられ、フルを走って膝が最後まで痛まなかった
サブ4ペース(キロ5分30秒前後)でも転がり感が強い。ペースを上げると、前足部の反発がはっきり出る
FF Leapでしっかり弾む。サブ3ペース(キロ4分15秒)まで余裕があり、サブ3.5〜3.25を目指す段階で最も活躍する
一方で、次のような気になる声もありました。
ソールの幅が狭くて厚いので、フォームが崩れると土台がぐらつくことがある。かかと着地の人ほど気になりやすい
Runtripは前作よりややタイトと書いている。普段の26.5cmだと少し窮屈。前作をゆったり履いていた人は試着したほうがよい
サブ4ギリギリの人は、マラソン終盤に強い反発と狭めの接地面積が裏目に出ないか心配
耐久性は?まだ長い距離の報告はない
YOGIRI SPEEDの耐久性は、まだ判断できる材料が少ない状況です。2026年9月発売で、何百km走ったかという報告はまだ見つかりません。
長い距離の報告はまだ無い
- アウトソールは前作と同じASICSGRIP。公式によると、中部〜かかとの接地面を広げ、中部の内側にラバーを足した。
- 海外の計測では、フルマラソンの距離でもクッションが持つと評価されている。1回のレースの中で落ちにくいという意味で、何km持つかの目安ではない。
- 国内のフル1本の報告では、摩耗や耐久性についての記述はなかった。長い距離の報告が出たら追記する。
今わかっていること
発売(2026年9月10日)から1か月半で、何百km走ったかという報告はまだ見つかりません。分かっているのは次の2つです。
| フル1本 | tomo.runの筆者が、いわて盛岡シティマラソン2026を3時間45分台で走った。後半はネガティブスプリットで、膝が最後まで痛まなかった。摩耗や耐久性についての記述はない |
|---|---|
| 海外の計測 | RTINGSは、フルマラソンの距離でもクッションが持つと評価している。靴が何km持つかではなく、1回のレースの中でクッションが落ちにくいという意味 |
アウトソールは前作と同じASICSGRIPです。公式によると、中部からかかとの接地面を広げ、中部の内側にもラバーを足しています。寿命が分かる報告が出たら追記します。
履き分けの重要性
YOGIRI SPEEDは、サブ4のペース走やレース本番で使うシューズです。ゆっくり走る日にはクッション重視の靴、速い短い距離の練習には軽い靴を組み合わせると、役割がはっきりします。
SPEED
5〜10kmやスピード練習の日
約196gとYOGIRI SPEEDより約31g軽く、短い距離の速い練習向き。素材は同じなので、レース靴の感覚を保ったまま使えます。
他の選択肢と比べてみる
練習メニュー別の相性と、ライバル2足との違いから最終判断します。
どんな練習に向いている?
結論から言うと、YOGIRI SPEEDが最も活きるのは、サブ4ペース前後のペース走とレース本番です。tomo.runの筆者は、適正ペースをキロ4分15秒〜5分45秒と見ています。
カーボン入りのレース靴なので、脚を休める日はクッション重視の靴のほうが向きます。
毎日のジョグは、履き分けのNOVABLAST 6のような万能デイリーに任せるのがおすすめです。
サブ4ペース(キロ5分30秒前後)でも転がる。ペースを上げるほど前足部の反発が出ます。
ichiumablogは、キロ4分30秒あたりが巡航の限界で、4分15秒はキャパオーバーと書いています。ただしインターバルなどで瞬間的に出す分には問題ないとのことです。
公式がサブ4をめざすランナーの勝負の一足と位置づけています。
ライバルシューズとの比較
同じ用途で比較されやすい2足と並べてみます。
YOGIRI SPEEDと比較したいシューズを選ぶ
Nike Zoom Fly 6 との違い
Zoom Fly 6はYOGIRI SPEEDより少し重く(unattachedrunnerは20〜30gの差と書いています)、かかとは2.5mm厚い(42.0mm)シューズです。ドロップは8mmとYOGIRI SPEEDの5mmより大きく、価格は18,700円で5,500円安くなっています。体感は、Zoom Fly 6が深く沈んで弾き返すのに対し、YOGIRI SPEEDは沈み込みすぎず前足部で弾みます。価格を抑えて柔らかい厚底が好みならZoom Fly 6、軽いレース靴でサブ4の本番に使うならYOGIRI SPEEDです。
ASICS MAGIC SPEED 5 との違い
MAGIC SPEED 5は約196gで、YOGIRI SPEEDより約31g軽く、価格は4,400円安くなっています。かかとは2mm、前足部は4mm薄く、ドロップは7mmです。素材の組み合わせは同じです。フル本番で後半まで脚を残したいならYOGIRI SPEED、短い距離やスピード練習も1足でこなしたいならMAGIC SPEED 5です。選び分けの詳しい根拠は、本文の「マジックスピード5とどっちを選ぶ?」にまとめています。
前作のS4+ YOGIRIは、22,000円・約240gの一足でした。ヨギリスピードとの違いは、こちらの記事に前作側の目線でまとめています。

サブ4より速いペースの練習や、軽さを優先したいときの候補はMAGIC SPEED 5です。こちらの記事で比べています。

よくある質問
Qワイドはありますか?
Aワイドは出ていません。公式の発表はスタンダードのみです。Runtripは前作よりややタイトと書いているので、幅広の人は、店で試し履きをしてから選んでください。
Qサブ4のフルマラソン本番で使えますか?
A公式が、サブ4達成をめざすランナーの勝負の一足と位置づけています。tomo.runの筆者は、フルを3時間45分台で走って「サブ4に最高にちょうど良い1足」と評価しました。一方、サブ4ギリギリの人は、終盤に強い反発と狭めの接地面積が裏目に出ないか心配という声もあります。本番で使うなら、30km走などで一度試してから決めてください。
Q前作S4+ YOGIRIから買い替える価値はありますか?
A前作の硬さが気になっていたなら、価値があります。上層がFF LEAPに替わって、約13g軽くなり、柔らかく反発があるという声が出ています。ただしサイズはRuntripが前作よりややタイトと書いており、価格は2,200円上がりました。前作がちょうどよかった人は、試着してからにしてください。
Q発売日と価格は?
A2026年9月10日にアシックスオンラインストアで先行発売され、9月17日から直営店・全国のスポーツ店で順次発売されました。価格は24,200円(税込)、サイズは22.5〜29.0cm(0.5cm刻み)です。国内で発表されたカラーはアクアリウム×ホワイトです。
QZoom Fly 6とどちらがいいですか?
A価格を抑えたいならZoom Fly 6(18,700円)です。YOGIRI SPEEDは24,200円で、重さは20〜30g軽いというレビューがあり、ドロップは5mmと小さくなっています。サブ4の本番に使う靴を探しているなら、公式がそのために作ったYOGIRI SPEEDが候補になります。
まとめ
ヨギリスピード(ASICS YOGIRI SPEED)は、上層FF LEAPとカーボンプレートで、前作より約13g軽く、サブ4ペースでもよく転がるレース用シューズです。国内のレビューでは、前作の硬さが和らいで大きく進化したという声が多く、フルの本番で脚を残したい人に向いています。
一方で、サイズは全体にタイトで、ワイドはありません。耐久性は、長い距離の報告がまだ出ていません。サイズは、いつもの長さを基本に、幅広・甲高の人は0.5cm上も試してください。ふだんのジョグは、前足部で弾む万能デイリーのNOVABLAST 6に任せると、役割がはっきりします。
[プロフィール]
- ラントク運営 じぇーぱぱ
- 中学、高校時代は100mを専門に活動
- 現在は週2回の練習で、12月のハーフ120分を目指して再スタート中
この靴を履いている方は、Xで教えてください。
