ニューバランスの中厚底レーシングシューズ「スーパーコンプ ペーサー v2(SuperComp Pacer v2)」。厚さや重さ、どれくらい持つのかは、買う前に確かめたいところです。先に答えると、厚さはかかとで約33mm・重さは約211g、アウトソールは120km走っても減りが少ないという報告があります。国内外の実際に走った人の報告をもとに、ライバルとの厚さの比較、耐久性、サイズ感とアキレス腱の注意点までまとめます。
Review
100%PEBAのFuelCellとカーボンで、
接地感と鋭い反発を両立した中厚底レーサー。
特におすすめなランナー
- 5km〜ハーフで自己ベストを狙う人
- 厚底のぐらつきが苦手な人
- ピッチを活かして走りたい人
まずは結論とスペックから
このシューズがどんな一足なのか、評価と基本データを先に押さえます。
こんな疑問を解消します
New Balance SuperComp Pacer v2 基本スペック
SuperComp Pacer v2は、100%PEBAのFuelCellミッドソールに、弓形のカーボンプレート(ENERGY ARC)を組み合わせた、中厚底のレーシングシューズです。2024年に発売されました。ニューバランスは「5kmから駅伝に挑むランナーに向けた」シューズとしています。
| 価格 | 25,850円(税込) |
|---|---|
| 重量(メンズ) | 約211g(メンズ/公式) |
| ミッドソール | FuelCell(100%PEBA)+ カーボンプレート(ENERGY ARC) |
| アッパー | 通気性の高い薄いメッシュ(縫い目のないオーバーレイ) |
| スタック / ドロップ | ヒール約33mm / フォア約25mm(ドロップ8mm/厚さは海外の計測) |
| アウトソール | 前足部とかかとに部分的なラバー(中央はフォームがむき出し) |
前作 FuelCell SuperComp Pacer からの進化
結論として、SuperComp Pacer v2で一番変わったのはミッドソールです。FuelCellのフォームが100%PEBAの素材になり、ソールも厚くなりました(国内外のレビューでは約8〜10mm)。前作は2022年発売の19,800円のモデルで、今作は25,850円と価格も上がっています。
走った体感としては、前作の薄くて硬めの乗り味から、柔らかく弾むクッションが加わったという声が多く見られます。海外のレビューでは前作を「平らすぎた」とし、今作は足元のボリュームが増えつつ、一般的な厚底よりは地面を感じやすいと評価されています。一方で、実際に量った重さは前作より少し重くなっています。
厚さは何mm?重さは?ほかのレースシューズと比べると
先に答えると、厚さはかかとで約33mm、前足部で約25mm。重さは公式で約211gです。40mm前後のフルマラソン用の厚底と、20mm台の薄いレースシューズのあいだにある「中厚底」にあたります。
| スーパーコンプ ペーサー v2 | ヒール約33mm / 前足部約25mm・約211g(公式は重さとドロップ8mmのみ記載。厚さは海外の計測) |
|---|---|
| タクミ セン 11 | ヒール33.0mm / 前足部26.0mm・約188g(27.0cm/公式) |
| ストリークフライ 2 | ヒール27mm / 前足部23mm・約127g(27cm/公式) |
| エリート v6 | ヒール40mm / 前足部32mm・約198g(同じニューバランスのフルマラソン用) |
厚さはタクミ セン 11とほぼ同じで、重さは20gほど重くなります。実際に量った報告は25.5cmで196g、26.0cmで200gで、公式の211gより軽めでした。前作より厚くなったぶん少し重くなりましたが、そのぶん脚を守るクッションが増えた、というのが多くのレビューの見方です。ニューバランス自身も「厚みを増した前足部のソールが、接地感はそのままにスパイクに近い感覚を出す」と説明しています。
各パーツの構造
ミッドソール
ミッドソールは、100%PEBAの素材を使ったFuelCellのフォームです。中に弓形のカーボンプレートを入れ、中央の底をくり抜いた形(ENERGY ARC)で、沈み込んだプレートが戻る力を推進力に変えます。海外のラボの計測では、フォームは柔らかめで、エネルギーリターンは75.8%と高い値でした。
アッパー
アッパーは、通気性の高い薄いメッシュ。縫い目のないオーバーレイで足を包み、ロゴもスプレーで塗って軽くしています。海外のラボの通気性テストでは最高評価でした。かかとのパッドは最小限で、縁が内側に曲がった形がアキレス腱に当たるという声が多くあります。
アウトソール
アウトソールは、前足部とかかとの減りやすい部分だけにラバーを貼り、中央はフォームがむき出しの作りです。ラバーの厚さは2.9mmで、摩耗テストでは平均的な減り方でした。濡れた路面のグリップは、ラボの計測では良好だった一方、「濡れたアスファルトで弱い」という海外のレビューもあります。
買う前に知っておきたいこと
サイズ感・実際の使用感・耐久性と、寿命を伸ばす履き分けの考え方です。
サイズ感はどう?
先に結論を言うと、長さはいつものサイズを基準に、きつければ0.5cm大きめを選んでください。レース用らしく足を包むぴったりめのフィットで、足幅の広い人は窮屈に感じやすい作りです。かかとがアキレス腱に当たるという報告も多いので、試し履きをおすすめします。
いつものサイズ。きつければ0.5cm大きめ
- 足幅(ワイズ):中足部を中心に、足を包むぴったりめの作りです。日本の公式で確認できたのはD幅です。
- 甲の高さ:標準的。薄いシュータンと細い紐で、締め具合は調整しやすい作りです。
- 他ブランドとの比較:初代ストリークフライと同じ26.5cmを選んだ短距離のコーチは、「ジャストすぎるくらい」と書いています。
- 特記事項:かかとの縁が内側に曲がっていて、アキレス腱が擦れたという報告が国内外で複数あります。
実際に履いた人のサイズの報告
国内外のレビューを並べると、「長さはいつもどおり、ただしレース用らしくぴったりめ」という報告が中心です。きつく感じた人は、0.5cm大きくしています。
| いつもどおり | 海外のレビューの多くは「通常サイズ」。ただしレース向けのぴったりしたフィットで、足幅の広い人は大きめを検討とも。いつものサイズでやや短いと感じたテスターもいる |
|---|---|
| 実寸+0.8cm | 足の実寸25.2cm・幅が細めで、26.0cmがぴったり(国内のレビュアー) |
| ジャストすぎる | ハイパースピードは27.0cm、スーパーブラストと初代ストリークフライは26.5cmで履く人が、26.5cmで「ジャストすぎるくらい」の足入れ感(短距離のコーチ) |
| 0.5cm大きめ | 海外のラボの投票では「0.5cm小さめ」。「NBのレース用は0.5サイズ上げるのがおすすめ」という海外のレビュアーも |
かかと(アキレス腱)が当たるという報告が多い
サイズ以上に気をつけたいのが、かかとです。かかとの縁が内側に曲がった形で、アキレス腱が擦れた・血が出たという報告が、国内外の複数のレビューに出ています。海外のテスターの中には、紐の通し方を変え、厚めの靴下にして解消した人もいます。アキレス腱が敏感な人は、店頭で必ず試し履きをして、かかとの当たりを確かめてください。
実際に履いたランナーの声
国内外のランナーの声を見ると、中厚底とは思えない柔らかさと、速いペースでの弾みを評価する声が多い一方、かかと(アキレス腱)の当たりと、濡れた路面のグリップを気にする声も見られました。
ペースの調整や切り替えがしやすい。厚底並みのクッションなのに、薄底のような反応がある
クッションは柔らかく、カーボンも硬さを感じずにしなる。やさしく沈んでから返ってくる
柔らかさ、弾み、キレのバランスがとても良い。前作より足元に厚みがあり、それでいて地面を感じやすい
一方で、次のような気になる声もありました。
かかとの縁が内側に曲がっていて、アキレス腱が擦れて血が出た
濡れたアスファルトやコンクリートでグリップが弱くなり、速いペースのカーブで不安を感じる
フルマラソンには、つま先側の厚みが足りないと感じた
寿命は何km?耐久性の目安
スーパーコンプ ペーサー v2の耐久性は、レースシューズとしては平均的かやや良い部類と見られます。120km走ってもアウトソールに使用感がないという報告がある一方、数百km走り込んだ報告はまだ見当たりません。
レース靴としては減りにくい。ラバーのはがれに注意
- アウトソールの摩耗テストでは削れが0.8mmで、平均的な減り方だった。
- ラバーは前足部とかかとの一部だけ。中央はフォームがむき出しで、約48kmでかかと外側のラバーがはがれ始めた例もある。
- 数百km走った報告はまだ無く、ミッドソールがどこでへたるかは分からない。海外のレビュアーは「自分なら最大500kmまで」としている。
実際に走った人の報告:120km時点でアウトソールに使用感なし
レースシューズとしては、アウトソールは思ったより減りにくいという報告が中心です。ただし数百km走り込んだ報告は見当たりません。
| 約48km | アウトソールの摩耗はわずか。ゴムのないむき出しのフォームも無事。ただし1人は、かかと外側の角のラバーがはがれ始めた(海外のレビュアー) |
|---|---|
| 約120km | インターバル、ロング走、ハーフマラソンを走って、アウトソールに使用感なし(海外のレビュアー) |
| アウトソール | 海外のラボの摩耗テストで削れは0.8mm。ラバーの厚さは2.9mmで、減り方は平均的 |
| 見込み | 「自分なら最大500kmまで。それ以上はすり減って脚を痛める心配がある」(海外のレビュアー) |
ラバーは前足部とかかとの一部だけで、真ん中はプレートの下のフォームがむき出しです。ミッドソールのへたりより先に、かかと外側のラバーのはがれに気をつけて、レースとスピード練習に絞って使うのが長持ちのコツです。
履き分けの重要性
SuperComp Pacer v2は、5kmからハーフまでのレースと、速いペースの練習で力を発揮するシューズです。ジョグや距離を踏む日は、同じニューバランスの現行モデルに任せて、このシューズは速い日のために取っておくのがおすすめです。
SPEED / RACE
スピード練習〜5km・ハーフのレースの日
New Balance SuperComp Pacer v2
薄底のような接地感と、PEBAとカーボンの反発で、インターバルからハーフのレースまで速いペースに乗れます。
JOG / TEMPO
ジョグ〜テンポ走の日
プレートのない軽いデイリーモデル(16,940円)。ジョグからペースを上げる日まで、気軽に履けます。
RECOVERY / LONG
回復ジョグ〜ロング走の日
プレートのない厚底のデイリーモデル(22,000円)。クッションが厚く、スピード練習の翌日や距離を踏む日に脚を守れます。
他の選択肢と比べてみる
練習メニュー別の相性と、ライバル2足との違いから最終判断します。
どんな練習に向いている?
結論から言うと、SuperComp Pacer v2が最も活きるのはスピード練習と、5kmからハーフまでのレースです。国内のレビューでは、キロ5分より速いペースで良さが出るとされています。
ゆっくり走るなら、もっとクッションの厚い靴のほうが楽です。
走れなくはないが、ラバーが部分的なレース靴を日々のジョグで減らすのはもったいない。
カーボンとPEBAの反発で、速い巡航ペースを保ちやすい。
地面を感じやすく、ペースの切り替えがしやすい。
5kmからハーフ、駅伝向き。フルマラソンは走力のある人向け。
ライバルシューズとの比較
同じ用途で比較されやすい2足と並べてみます。
SuperComp Pacer v2と比較したいシューズを選ぶ
adidas Adizero Takumi Sen 11 との違い
Adizero Takumi Sen 11は、5本指のENERGYRODS 2.0とLIGHTSTRIKE PROを使った、10kmからハーフ向けのレーシングシューズです。厚さはヒール33.0mmでSuperComp Pacer v2とほぼ同じですが、重さは約188g(27.0cm)で20gほど軽く、価格も1,650円安くなります。フォームの柔らかさは海外のラボの計測でほぼ同じですが、中の反発材が違い、Takumi Sen 11はグラスファイバー製のロッド、SuperComp Pacer v2はカーボンプレートです。アウトソールも、Takumi Sen 11はContinentalラバーを使っています。20g軽い靴で走りたいならTakumi Sen 11、カーボンプレートの鋭い反発を取るならSuperComp Pacer v2です。
Nike Streakfly 2 との違い
Streakfly 2は、フルレングスのカーボンとZoomXを約127gに収めた、1マイルから10km向けのロードレーサーです。SuperComp Pacer v2より80g以上軽く、ヒールも約6mm薄いぶん、スパイクに近い硬めの感覚になります。国内の短距離のコーチも、SuperComp Pacer v2は初代Streakflyより柔らかいクッションを求める人に向くとしています。とにかく軽く、スパイク感覚で走りたいならStreakfly 2、ハーフまで脚を守るクッションがほしいならSuperComp Pacer v2です。
比べているタクミ セン 11とストリークフライ 2のレビューは、こちらです。


フルマラソンの記録を狙うなら、同じニューバランスのスーパーコンプ エリート v6もあります。

よくある質問
Qフルマラソンでも使えますか?
A走力のある人なら使えます。国内のレビューでは「サブ3.5が確実なランナー以上ならフルでも」とされ、海外ではプロ選手がマラソンで使った例もあります。一方で「フルには前足部の厚みが足りない」「5kmからハーフ向き」という声も多く、サブ3.5より遅いペースでフルを走るなら、厚底のSuperComp Elite v6などのほうが後半まで脚を残しやすいです。
Qサイズはいつもと同じでいいですか?
Aいつものサイズを基準にしてください。海外では「通常サイズ」という評価が多い一方、レース用らしくぴったりめで、「きつかったので0.5cm上げてもよかった」「0.5サイズ上げるのがおすすめ」という声もあります。足幅の広い人は、0.5cm大きいサイズとも履き比べてください。
Qアキレス腱が擦れると聞きましたが、対策はありますか?
Aかかとの縁が内側に曲がった形で、アキレス腱が擦れたという報告が国内外で複数あります。海外のテスターは、紐の通し方を変えたり、かかとまで覆う厚めの靴下にしたりして解消していました。気になる人は、買う前に店頭でかかとの当たりを確かめてください。
Q雨の日のレースでも滑りませんか?
A評価が分かれています。海外のラボの計測や、濡れた路面でも粘るというレビューがある一方、「濡れたアスファルトやコンクリートでグリップが弱く、カーブで不安」という声もあります。ラバーは部分的で中央はフォームがむき出しなので、雨のレースの前に濡れた路面で一度試しておくと安心です。
Q後継のv3は出ますか?
A「スーパーコンプ ペーサー v3」も検索されていますが、2026年11月時点で、v3は日本・米国の公式に載っていません。今作v2は2024年発売のモデルで、日本では公式通販で25,850円(D幅、25.0〜29.0cm)で買えます。新しい情報が出たら、この記事に追記します。
まとめ
スーパーコンプ ペーサー v2(SuperComp Pacer v2)は、100%PEBAのFuelCellとカーボンプレートで、薄底のような接地感のまま、柔らかく鋭く弾む中厚底のレーシングシューズです。厚さはかかとで約33mm、重さは約211gで、5kmからハーフのレースやスピード練習で力を発揮します。アウトソールは120km走っても減りが少ないという報告があり、レース靴としては長く使える部類です。
一方で、かかとがアキレス腱に当たるという報告が多く、試し履きは欠かせません。サブ3.5より遅いペースでフルマラソンを走るなら、より厚いレース靴のほうが向いています。ジョグやテンポ走の日はFuelCell Rebel v5、回復やロング走の日は1080v15を組み合わせると、役割がはっきりします。
[プロフィール]
- ラントク運営 じぇーぱぱ
- 中学、高校時代は100mを専門に活動
- 現在は週2回の練習で、12月のハーフ120分を目指して再スタート中
この靴を履いている方は、Xで教えてください。
