ターサーRP3レビュー|厚さ・寿命・短距離・ワイドの違い

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出典: アシックス公式サイト

アシックスの薄底トレーニングシューズ「ターサーRP3(ASICS TARTHER RP 3)」。先に答えると、厚さはかかと約31.5mmで、薄底の中ではやや厚め。トラックの公認レースには出られませんが、短距離から長距離までスピード練習用の定番です。厚さの実測値、短距離での使い方、スタンダードとワイドの選び方、寿命の目安まで、実際に走ったランナーの報告をもとにまとめます。

Review

厚底時代にあえて履きたい、
自分の足で蹴る感覚を磨く薄底靴。

特におすすめなランナー

  • 厚底に頼らず自分の脚を鍛えたい
  • トラックやスピード練習を重視したい
  • 接地感とダイレクトな反発が好き
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まずは結論とスペックから

このシューズがどんな一足なのか、評価と基本データを先に押さえます。

総合評価4.0

地脚を鍛える薄底の実力派

厚底カーボン全盛の今だからこそ、自分の脚で蹴る感覚を呼び覚ましてくれる、地脚強化に特化した薄底レーシングシューズ。

クッション性2.5

沈み込みが少なく硬めのダイレクトな感触

反発・推進力3.5

プレートに頼らず自らの脚で弾き出す反発

安定・サポート4.5

硬いヒールカップと樹脂パーツで高い剛性

耐久・寿命4.0

突起の摩耗はあるがアッパーの耐久性は極めて高い

もくじ

ASICS TARTHER RP 3 基本スペック

TARTHER RP 3の最大の特徴は、ミッドソールを「FF BLAST」へ刷新し、前作よりソール厚を約2mm増やしたことです。クッション性と耐久性を高めつつ、薄底ならではのダイレクトな接地感はそのまま残されています。

ASICS TARTHER RP 3
ASICS TARTHER RP 3(画像:ASICS公式サイトより)
価格16,500円(税込)
重量(メンズ)約185g(メンズ26.5cm目安/公式、28.0cmの実測で約211gという報告あり)
ミッドソール合成樹脂(FF BLAST) + PROPULSION TRUSSTIC
アッパー合成繊維・合成樹脂(リサイクル素材採用)
スタック / ドロップヒール約31.5mm / フォア約21.5mm(ドロップ10mm)
アウトソール3D TETRA SOLE + ASICSGRIP + AHARPLUS

前作 TARTHER RP 2 からの進化

結論として、TARTHER RP 3で一番変わったのはミッドソールの厚みです。前作からFF BLASTの厚みを約2mm増したことで、極端だった底付き感が緩和され、トレーニングへの適性が大きく広がりました。

走った体感としては、前作の硬さがマイルドになり着地時の突き上げが軽減された一方、自分の足で地面を掴んで蹴るダイレクトな接地感は健在です。重量は約15g増えたものの依然として超軽量の部類で、ハーフマラソンなどやや長い距離でもスタミナが続きやすい絶妙なバランスへと進化しました。

厚さは何mm?短距離やトラックで使える?

ターサーRP3の厚さは、公式でかかと約31.5mm・ドロップ10mmです。実際に測ったレビューでは、かかと約28mm・つま先側約18mmでした。今の40mm前後の厚底と比べれば明らかに薄いものの、薄底の中では「やや厚め」の部類です。

かかとの厚さ公式 約31.5mm(実測 約28mm)
つま先側の厚さ実測 約18mm
ドロップ10mm
前作(RP2)との差約2mm厚くなった
トラックの公認レース使えない(厚さの上限を超える)

前作のRP2はサイズによってはトラックのレースでも使えましたが、RP3は約2mm厚くなったぶん、トラックの公認レースでは使えなくなりました。部活の試合や記録会に履いていく靴ではない点に注意してください。

短距離・中距離の練習には向いている

トラックのレースには出られませんが、練習用としては短距離から長距離まで幅広く使われている薄底の定番です。800mを1分52秒で走る中距離ランナーは、インターバル走やウインドスプリント向きと評価しています。前足部のトゲ状のソール(3D TETRA SOLE)が地面を強くつかむので、スピードを上げたときに蹴った力が逃げにくい靴です。

一方で、反発やクッションに頼れる靴ではありません。厚底から移るなら、最初は5km程度の短い距離やゆっくりのペースから慣らすのが安全です。

各パーツの構造

ミッドソール

TARTHER RP 3 ミッドソール
TARTHER RP 3 のミッドソール(画像:ASICS公式サイトより)

全面に反発性とクッション性に優れた「FF BLAST」を採用しつつ、部位によって硬度を変える設計です。前足部は比較的柔らかく柔軟性を持たせ、中足部の内側とヒール後部には安定感を高める硬めのフォームを配置。さらに中足部から前足部にかけては樹脂製の補強プレート「PROPULSION TRUSSTIC」が内蔵されており、シューズの過度なねじれを防ぎながら、蹴り出し時の強力な推進力と高い剛性を生み出しています。

アッパー

TARTHER RP 3 アッパー
TARTHER RP 3 のアッパー(画像:ASICS公式サイトより)

通気性に優れたエンジニアードメッシュを採用し、アッパー素材の75%以上にリサイクルポリエステルを使用。ハイスピード時でもシューズ内で足がブレないよう、中足部のホールド力を高めるタイトな設計です。標準装備の「パワーホールドシューレース」は結び目が柔らかくほどけにくい一方、それ以外は伸びにくく甲回りをしっかり固定。ヒールカウンターには薄くて硬いプラスチック芯材が内蔵され、踵をカッチリとホールドします。

アウトソール

TARTHER RP 3 アウトソール
TARTHER RP 3 のアウトソール(画像:ASICS公式サイトより)

路面状況や接地の役割に合わせて3種類の素材を使い分ける構造です。最も摩耗しやすいかかと部分にはASICS最高レベルの耐久性を誇る「AHARPLUS」ラバーを配置。前足部には立体的な網目状の突起が「点」で路面を強力に噛む「3D TETRA SOLE」を採用し、つま先部分には濡れた路面でも滑りにくい「ASICSGRIP」を配置しています。

RUNTOKU / 脚力鍛錬重視

ASICS TARTHER RP 3
ASICS

TARTHER RP 3

脚力鍛錬重視
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買う前に知っておきたいこと

サイズ感・実際の使用感・耐久性と、寿命を伸ばす履き分けの考え方です。

サイズ感はどう?

先に結論を言うと、いつものASICSのランニングシューズと同じサイズで問題ないという声が大半です。レーシングシューズ特有の高いホールド感を持ちつつも、極端な窮屈さはなく微調整がしやすい設計です。

いつものASICSと同じサイズでOK

  • 足幅(ワイズ):STANDARD(2E相当)に加えWIDE(3E相当)も展開。通常モデルはかかとから中足部がタイトです。
  • 甲の高さ:標準的。伸びにくいパワーホールドシューレースと薄めのタンで、甲まわりの固定力は高めです。
  • 他ブランドとの比較:Nikeやadidasの同サイズと比べると、前足部の全長がやや短めで幅にはゆとりがある傾向です。
  • 特記事項:スピードを出した際の足のズレを防ぐため中足部のホールドはかなり強め。長距離で指先が当たる場合はWIDEも検討を。

スタンダードとワイドの違い・選び方

ターサーRP3にはスタンダードとワイドがあります。ワイドは一般的な3Eとは違い、かかとから土踏まずまではタイトなまま、前足部だけ少しゆとりを持たせた「レーシングワイド」という足型です。ワイドを履いたレビューでは、アシックスの普段の2Eとあまり変わらない履き心地だったと書かれています。

スタンダード足幅がふつう〜細めの人。スタンダードで普段どおりのサイズだと窮屈に感じた人が、0.5cm大きめを選んでいる例もある
ワイド走って足がむくんだ後半に前足部が苦しくなる人、レース後に爪が黒くなる・指が当たる経験がある人

迷ったら、「長く走った後に前足部がきつくなるか」で決めるのがおすすめです。かかとはどちらもタイトなので、ワイドにしても脱げやすくなる心配は小さいです。

実際に履いたランナーの声

国内外のレビューを横断すると、厚底に慣れたランナーからは新鮮な接地感として評価され、特にスピード練習における圧倒的なグリップ力と堅牢な耐久性に称賛の声が集まっています。

かかとのAHARPLUSラバーが全く削れず、合計1,300km走っても寿命が尽きないほどの耐久性がある

#ロング走中心

3D TETRA SOLEがトラックや雨に濡れたアスファルトでも強力に路面を噛み、蹴った力がそのまま推進力に変わる

硬めのヒールカップによるホールド感が抜群で、コーナリングや切り返しの際も足首が外側に倒れず安定している

一方で、次のような気になる声もありました。

厚底カーボンシューズのような強い反発や、トランポリンのようにポンポン弾んで進む感覚は得られない

強力なグリップを生む前足部の突起は、スピードを出して強く蹴り出すと300km前後で削れて平らになり始める

#スピード練習中心

中足部がタイトな設計のため、足幅が広い人はWIDEモデルにしないと後半に窮屈さや小指の当たりを感じる

#前作からの乗り換え

寿命は何km?耐久性の目安

レーシングシューズでありながら、練習用として非常にコストパフォーマンスの高い堅牢な作りを誇ります。

接地面はやや消耗が早いが、反発力は長く持続する

早くヘタる平均的長く使える
  • かかとに配置された高耐摩耗ラバー「AHARPLUS」の耐久性は極めて高く、着地が丁寧なランナーであれば1,000kmを超えても使い続けられるという報告があります。
  • 前足部の3D TETRA SOLEは「点」で接地する構造のため局所的な負荷がかかりやすく、スピード練習を重ねると300km付近から突起の角が取れ始めます。
  • 突起が削れてグリップ力が落ち着いた後も、ミッドソールのFF BLASTの反発力やクッション性は急激にはヘタらないため、スピード練習用からデイリージョグ用へ用途をスライドさせれば長く履き続けられます。

寿命は何km?走り方で大きく変わる

ターサーRP3の寿命は、走り方によって報告の幅がとても大きい靴です。

長く持った例かかとのラバーが削れ切るまでを目安に、約1,300km使えた。履き心地も最初とほとんど変わらなかった(マラソン中心・月250〜300km)
早く傷んだ例着地点のトゲ状のソールが剥がれ始め、その後ミッドソールがむき出しに。アッパーの小指の部分も走行中に破れた

差が出るのは前足部のトゲ状のソールです。点で地面に当たる作りのため、同じ場所で強く蹴る走り方だと、そこから先に減っていきます。トゲが平らになってきたらスピード練習用は卒業し、ジョグ用に回すと長く履けます。

履き分けの重要性

前のセクションで触れたとおり、TARTHER RP 3は用途を移行させることで長く使えます。ここでは他のASICSモデルとの組み合わせで、ローテーションでの立ち位置を見てみます。

履き分けの4つのメリット。1つ目、シューズの寿命を延ばす:1足に負担を集中させず、複数のシューズを使い分けることでそれぞれを長く使いやすくなります。2つ目、練習内容に合わせられる:ジョグ・テンポ走・ロング走など、目的に合わせてシューズの特性を変えられます。3つ目、足への刺激を変えられる:クッション性や反発性の異なるシューズを使うことで、毎回同じ刺激になりにくいのもメリットです。4つ目、シューズを選ぶ楽しさ:「今日はこのシューズで走ろう」と選ぶ楽しさも、ランニングを続けるモチベーションになります。

SPEED

スピード練習・インターバルの日

TARTHER RP 3

厚底シューズの恩恵に頼らず、自分自身の脚力と接地感覚を磨き、高いグリップ力で鋭い蹴り出しを行うためです。

JOG

デイリージョグやリカバリーの日

ASICS GEL-NIMBUS 28

極厚クッションと内蔵されたPureGELによる着地衝撃吸収に定評があるシリーズ最新作で、TARTHER RP 3で酷使した脚の疲労を優しく回復させてくれるからです。

LONG

距離走やロング走の日

ASICS SUPERBLAST 3

軽量でありながらFF LEAP/FF BLAST PLUSによるトランポリンのような弾む反発力と46.5mmの超厚底の保護力を備えており、脚へのダメージを抑えつつ長距離をハイペースで押し切る練習に最適だからです。

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他の選択肢と比べてみる

練習メニュー別の相性と、ライバル2足との違いから最終判断します。

どんな練習に向いている?

結論から言うと、TARTHER RP 3が最も輝くのはペース走・インターバルなどのスピード系メニューです。ダイレクトな反発と路面を掴むグリップ力が光ります。

△ リカバリー・LSD

クッション性が控えめなため、疲労回復目的の低速長時間走行には脚への負担が大きくなります。

◯ デイリージョグ

自然な前傾姿勢が取りやすくテンポの良いジョグには適しますが、厚底に比べると自脚の筋力が要求されます。

◎ ペース走・テンポ走

沈み込みによるレスポンスの遅れが一切なく、設定ペースを精密にコントロールしながら走るのに最適です。

◎ スピード・インターバル

3D TETRA SOLEの強力なトラクションと軽量性が、トラックでのスプリントやインターバルで最高のパフォーマンスを発揮します。

◯ レース本番

5kmや10kmの短いロードレース、薄底を好む上級者ならフルマラソンでも十分に戦力となります。

ライバルシューズとの比較

同じ用途で比較されやすい2足と並べてみます。

TARTHER RP 3と比較したいシューズを選ぶ

Nike Zoom Rival Fly 4 との違い

Rival Fly 4は、前足部にZoom Airユニットを搭載し、Cushlon 3.0フォームによる柔らかく弾むようなクッション性が特徴です。価格は11,000円とTARTHER RP 3より安価ですが、重量は約235gとやや重めです。TARTHER RP 3が「自力で硬い路面を蹴る感覚」を養うのに対し、Rival Fly 4は「エアの反発をもらいながら厚底ライクな走り方を練習する」用途に向いており、クッションの質と接地感が根本的に異なります。昔ながらの接地感と物理グリップで自脚を鍛えたいならTARTHER RP 3、コスパとエアの反発を求めるならRival Fly 4です。

adidas Adizero Japan 9 との違い

Adizero Japan 9は、フルレングスの最上位フォーム「LIGHTSTRIKE PRO」とナイロン製ドッグボーンシャンクを搭載したモダンな薄底シューズです。価格は17,600円、重量は約177gとTARTHER RP 3と同等レベルの軽さを誇ります。TARTHER RP 3が樹脂パーツの硬さとテトラソールの物理的なグリップで推進するのに対し、Japan 9は次世代フォームの反発弾性と滑らかな重心移動でスピードを出す設計となっており、より現代的で豊かな弾みを感じられます。昔ながらの接地感と削れるほど強力な物理グリップで自脚を鍛えたいならTARTHER RP 3、最新フォームの高反発を薄底で味わいたいならAdizero Japan 9です。

ミズノの日本製の薄底、ウェーブエンペラージャパン4と比べたい人は、こちらの記事に違いをまとめています。

よくある質問

Q厚底シューズから乗り換えても怪我のリスクはありませんか?

A今作は前作よりミッドソールが2mm厚くなり、FF BLASTが最低限のクッションを確保しているため、いきなりの移行でも底付き感は軽減されています。しかし薄底特有の負担はあるため、最初は短い距離から徐々に慣らすことをおすすめします。

Q雨の日のトラックや濡れたアスファルトでも滑りませんか?

A前足部の3D TETRA SOLEとつま先のASICSGRIPの組み合わせにより、雨のトラックや濡れた路面でも非常に強力なトラクションを発揮します。スパイクのように路面を点で噛むため、滑る不安なくスピードを出せます。

Q短距離(100〜400m)の練習にも使えますか?

A使えます。前足部のトゲ状のソールが地面をつかむので、ウインドスプリントやインターバルなどスピードを上げる練習に向いています。ただしトラックの公認レースでは厚さの上限を超えるため使えません。試合ではスパイクを、練習ではこの靴を、と使い分けてください。

Qトラックレースでの使用(厚さ制限ルール)には対応していますか?

A対応していません。前作のRP2はサイズによってはトラックのレースでも使えましたが、RP3はソールが約2mm厚くなり、トラック競技で認められる厚さの上限を超えました。公認のトラックレースでは使用できないため注意が必要です。

Qアウトソールの突起が削れて平らになったらシューズの寿命ですか?

A前足部の突起が削れてグリップ力が低下しても、ミッドソールの反発力自体は意外と長く維持されます。そのため、スピード練習用としては寿命を迎えても、デイリージョグ用として用途をスライドさせれば引き続き長く履くことができます。

まとめ

TARTHER RP 3は、厚底カーボンシューズ全盛の現代において「自分の足で蹴り、自らの筋力で進む」というランニングの基本を再確認させてくれる貴重なレーシングシューズです。足首がブレない強固なホールド感と、路面を抉るような強力なグリップ力は、トラックでのインターバルやロードでのスピード練習において、ランナーの地脚を鍛えポテンシャルを底上げしてくれます。

一方で、シューズの反発力(トランポリン効果)に頼って楽に走りたい人や、極上の柔らかいクッションを求める初心者ランナーには向いていません。またソールがトラック競技で認められる厚さを超えるため、トラックの公認レースには出場できない点にも注意が必要です。厚底ライクな強い反発とクッション性を持ちつつスピードを出したい場合は、同ブランドの「SUPERBLAST 3」や「MAGIC SPEED」シリーズを代替案として検討することをおすすめします。

RUNTOKU / 脚力鍛錬重視

ASICS TARTHER RP 3
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TARTHER RP 3

脚力鍛錬重視
この記事を書いた人
じぇーぱぱ

[プロフィール]

  • ラントク運営 じぇーぱぱ
  • 中学、高校時代は100mを専門に活動
  • 現在は週2回の練習で、12月のハーフ120分を目指して再スタート中

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