ニューバランス 5280 v2レビュー|トラック・短距離にも使えるのか

出典: ニューバランス公式サイト

ニューバランスの薄底カーボンシューズ「フューエルセル 5280 v2(FuelCell 5280 v2)」。どのくらい薄いのか、トラックや短い距離のレースで使えるのかが気になるところです。先に答えると、ソールは25mm以内の薄底で、1マイルから5km前後のロードレースに向いたシューズです。ただし今のトラックの規定(20mm以下)は超える可能性が高く、日本では公式アウトレットでの販売になっています。国内外のレビューをもとに、厚さと向いている距離、サイズ感、ライバルとの違いまでまとめます。

Review

薄いソールとカーボンプレートで、
スパイクのように路面を蹴る中距離レース用シューズ。

特におすすめなランナー

  • 1マイル〜5kmで記録を狙う人
  • 前足部で接地して走れる人
  • 足幅が標準〜細めの人
01/03

まずは結論とスペックから

このシューズがどんな一足なのか、評価と基本データを先に押さえます。

総合評価3.5

1マイル〜5kmに絞ったレース靴

薄いソールとカーボンプレートの鋭い反発で、1マイルから5km前後のロードレースに振り切ったシューズ。クッションが少なく、トラックの今の規定や販売状況にも注意が要るので、使う場面がはっきりしている人向けです。

クッション性1.5

クッションは最小限。地面をじかに感じる

反発・推進力4.5

硬めのソールとカーボンで鋭く弾く

安定・サポート3.0

前足部接地なら安定。後ろ重心ではぐらつく

耐久・寿命2.0

かかとはフォームがむき出しで減りやすい

もくじ

New Balance FuelCell 5280 v2 基本スペック

FuelCell 5280 v2は、薄いFuelCellフォームにカーボンプレートを入れ、前足部にピン状のアウトソールを並べた中距離レース用のシューズです。2023年1月に発売されました。2026年9月時点では、通常の公式通販には商品ページがなく、ニューバランスの公式アウトレットで販売されています。

New Balance FuelCell 5280 v2
New Balance FuelCell 5280 v2(画像:ニューバランス公式サイトより)
価格28,600円(税込・公式の定価表示。2023年の発売時は26,400円)
重量(メンズ)約150g(公式。サイズの記載なし)/27cmで約142gという報告あり
ミッドソールFuelCell+ カーボンファイバープレート
アッパーエンジニアードメッシュ+ガセットタン
スタック / ドロップ非公表(レビューでは25mm以内) / ドロップ6mm(公式)
アウトソール前足部〜中足部:DYNARIDE(ピン状の突起)/かかと:ラバーなし

厚さは?トラックで使える?どの距離向き?

先に答えると、ソールは25mm以内とされる薄底で、ドロップ(かかとと前足部の高さの差)は6mmです。ニューバランスは「中距離レース向け」としていて、狙いは1マイル(約1.6km)から5km前後のロードレースです。トラックで使えるかは、2024年11月からの新しい規定に注意が必要です。

厚さv2の公式の数字は非公表。国内のレビューでは「25mm以内」、初代はヒール24mmと紹介されている
ドロップ6mm(公式)
重さ約150g(公式。サイズの記載なし)。27cmで約142gという国内の報告がある
プレートカーボンファイバープレート(公式)

トラックの公式レースは、今の規定では使えない可能性が高い

世界陸連(WA)は、2024年11月1日から、トラック種目で履ける靴底の厚さを20mmに統一しました。それまで800m以上の種目は25mmまで認められていたため、発売当時は「トラック800m以上の公認レースに使える薄さ」と紹介されていました。25mm近いフューエルセル 5280 v2は、今の20mmの基準を超える可能性が高いと考えてください。

トラックのレースで使える薄底を探しているなら、同じニューバランスで20mm以下の「FuelCell Pvlse v1」(プレートなし)が候補になります。出場する大会の規定は、必ず事前に確認してください。練習でトラックを走るぶんには、規定は関係ありません。

どの距離に向いている?

800m〜1500m・1マイル◎ いちばん得意。初代は海外のレビューで「本当に速い1マイルのための靴」とされた
3000m〜5km◎ 国内のレビューでは800m〜10000mのトラック、5km〜10kmのロードに向くとされる
10km◯ 前足部で接地できて脚力があれば。初代は「10km以上はなし」という海外の評価も
ハーフ・フル△ フルで使うならキロ4分を切る走力が最低限という国内の評価。基本は向かない

なお、100m・200mのスプリントに向くかどうかは、調べた範囲では評価が見つかりませんでした。「短距離」は、中距離(800m〜5km)の短いレースと考えてください。

各パーツの構造

ミッドソール

FuelCell 5280 v2 ミッドソール
FuelCell 5280 v2 のミッドソール(画像:ニューバランス公式サイトより)

ミッドソールは薄いFuelCellフォームで、中にカーボンファイバープレートを入れています。ニューバランスは「Multi direction carbon fiber plate」と呼び、多方向に配置した形で反発と推進力を両立するとしています。レビューでは、硬めで反発があり、薄いのに意外とクッションもあるとされています。ドロップは6mmです。

アッパー

FuelCell 5280 v2 アッパー
FuelCell 5280 v2 のアッパー(画像:ニューバランス公式サイトより)

アッパーは軽いエンジニアードメッシュで、v2からガセットタン(ベロとアッパーがつながった作り)が入りました。かかとからアキレス腱にかけての形も見直し、擦れや足当たりを改善したとしています。初代のきついニットより足入れに余裕がありますが、幅はD(標準)のみで細めです。

アウトソール

FuelCell 5280 v2 アウトソール
FuelCell 5280 v2 のアウトソール(画像:ニューバランス公式サイトより)

アウトソールは、前足部から中足部にかけて、陸上スパイクのピンのような三角の突起「DYNARIDE」を並べています。ニューバランスは「地面を引っ掻くように食いつく」と説明しています。一方、かかとにはラバーがなく、FuelCellフォームがむき出しです。前足部で接地することを前提にした、軽さ優先の作りです。

RUNTOKU / 中距離レーサー

New Balance FuelCell 5280 v2
New Balance

FuelCell 5280 v2

中距離レーサー
02/03

買う前に知っておきたいこと

サイズ感・実際の使用感・耐久性と、寿命を伸ばす履き分けの考え方です。

サイズ感はどう?

先に結論を言うと、長さはいつものサイズが基準、幅は細めです。足幅は公式でD(標準)のみ。v2は初代より足入れに余裕が出ましたが、幅の広い人は試し履きしてから選んでください。

長さはいつもどおり。幅広の人は試し履きを

  • 足幅(ワイズ):公式はDのみ。少し狭めですが、2Eの靴を履く人でも履ける程度という声があります。
  • 甲の高さ:ガセットタン(ベロとアッパーがつながった作り)で甲を押さえるので、甲の高い人はきつく感じることがあります。
  • 他ブランドとの比較:初代は、Nikeのヴェイパーフライと同じサイズで長さが合ったという報告があります。
  • 特記事項:初代のきついニットから、v2は伸びのあるメッシュに変わり、足入れに余裕が出ました。

実際に履いた人のサイズの報告

足幅は公式でD(標準)のみです。国内のレビューを並べると、v2は初代より足入れに余裕が出たが、幅は細めという評価です。

v2少し幅は狭めだが、ふだん2Eの靴を履く人でも履ける程度。初代のきついニットより余裕がある(国内のレビュー)
初代26.5cmで、長さはNikeのヴェイパーフライと同じ。ただし幅はかなり細く、足が細い人向け(5000m14分台を目指すランナー)
公式D(標準)/23.0〜29.0cm。ワイドの展開はなし

長さはいつものサイズを基準にしてよさそうですが、幅に余裕はありません。足幅の広い人・甲の高い人は、店頭で試し履きしてから選んでください。

実際に履いたランナーの声

国内外のランナーの声を見ると、薄底とは思えない反発と、前作より良くなったフィットを評価する声が多い一方、幅の細さとかかとの耐久性、使える距離の短さを気にする声も見られました。初代の声は、ソールの構成が同じなので参考として載せています。

硬めで反発があり、薄底のレース用シューズの中では抜群。薄いのにクッションもある

初代のきついニットから変わり、足入れに余裕が出て履きやすくなった

かかとのホールドが強く、走っていてもゆるまない(初代)

#5000m14分台を目指す

一方で、次のような気になる声もありました。

かかとはFuelCellがむき出しでラバーがなく、耐久性は低そう

フルマラソンで使うなら、キロ4分を切る走力が最低限必要

幅がかなり細く、後ろ重心になるとぐらつく。レース前に慣らしが必要(初代)

#5000m14分台を目指す

寿命は何km?耐久性の目安

フューエルセル 5280 v2の寿命は、何kmという報告が見つかりません。かかとにラバーがなくフォームがむき出しなので、ジョグなどで距離を重ねる靴ではありません。レースと、ここ一番のスピード練習に絞って使うのが前提です。

距離の報告なし。レース用に絞るのが前提

早くヘタる平均的長く使える
  • かかとはFuelCellがむき出しで、ラバーが貼られていない。かかとから着地すると減りやすい。
  • ソールが薄く、厚底のシューズよりクッションの余裕が少ない。
  • 前足部のDYNARIDEはピン状の突起。アスファルトで使い続けると、突起の角が丸くなっていく。

履き分けの重要性

フューエルセル 5280 v2は、レースとスピード練習の日だけに使うシューズです。ジョグやテンポ走で脚を守る役割は足りないので、同じニューバランスの現行モデルを組み合わせると役割がはっきりします。

履き分けの4つのメリット。1つ目、シューズの寿命を延ばす:1足に負担を集中させず、複数のシューズを使い分けることでそれぞれを長く使いやすくなります。2つ目、練習内容に合わせられる:ジョグ・テンポ走・ロング走など、目的に合わせてシューズの特性を変えられます。3つ目、足への刺激を変えられる:クッション性や反発性の異なるシューズを使うことで、毎回同じ刺激になりにくいのもメリットです。4つ目、シューズを選ぶ楽しさ:「今日はこのシューズで走ろう」と選ぶ楽しさも、ランニングを続けるモチベーションになります。

SPEED / RACE

レース〜インターバルの日

New Balance FuelCell 5280 v2

薄いソールとカーボンの鋭い反発で、1マイル〜5kmのレースやショートインターバルに。かかとが減りやすいので、使う日を絞ります。

TEMPO / JOG

テンポ走〜ふだんのジョグの日

New Balance FuelCell Rebel v5

同じFuelCellを厚めに使った、軽くて弾むプレートなしのシューズ。薄底では脚が持たない距離のテンポ走に。

JOG / LONG

ゆっくりジョグ〜ロング走の日

New Balance Fresh Foam X 1080 v15

厚く柔らかいクッションのデイリーシューズ。スピード練習で使ったふくらはぎやアキレス腱を休ませながら、距離を積む日に。

03/03

他の選択肢と比べてみる

練習メニュー別の相性と、ライバル2足との違いから最終判断します。

どんな練習に向いている?

結論から言うと、フューエルセル 5280 v2が最も活きるのは、1マイル〜5km前後のレースとショートインターバルです。クッションが少ないので、ゆっくり走る日には向きません。

△ リカバリー・LSD

クッションが最小限で、ゆっくり長く走るとふくらはぎへの負担が大きくなります。

△ デイリージョグ

かかとが減りやすく、ジョグで距離を重ねる靴ではありません。

◯ ペース走・テンポ走

5km前後までの速いペース走なら使えます。それより長いと脚への負担が大きくなります。

◎ スピード・インターバル

ピン状のアウトソールが路面をつかみ、カーボンの反発で鋭く加速できます。

◎ レース本番

1マイル〜5km前後のロードレース向け。トラックの公式レースは今の規定を超える可能性が高いので確認を。

ライバルシューズとの比較

同じ用途で比較されやすい2足と並べてみます。

FuelCell 5280 v2と比較したいシューズを選ぶ

Nike Streakfly 2 との違い

Streakfly 2も、カーボンプレートを入れた1マイル〜10km向けのロードレース用シューズで、狙いはかなり近い一足です。約127g(27cm)とさらに軽く、Nikeの公式通販で今も販売されています。FuelCell 5280 v2はソールがより薄く、前足部のピン状のアウトソールで路面をつかむ感覚が強いのが違いです。10kmまで使える軽さと買いやすさならStreakfly 2、1マイル〜5kmでスパイクに近い接地感を取るならFuelCell 5280 v2です。

New Balance FuelCell Pvlse v1 との違い

FuelCell Pvlse v1は、同じニューバランスの薄底シューズです。ソールは20mm以下で、今のトラックの規定にも収まります。プレートは入っておらず、価格も14,850円と手ごろです。FuelCell 5280 v2はカーボンプレートの反発があり、公式の重さも150gと軽いぶん、レースで速さを出すための靴です。トラックの公式レースや足づくりの練習ならFuelCell Pvlse v1、ロードの1マイル〜5kmで記録を狙うならFuelCell 5280 v2です。

よくある質問

Qトラックの公式レースで履けますか?

A今の規定では使えない可能性が高いです。世界陸連は2024年11月1日から、トラック種目の靴底を20mm以下に統一しました。フューエルセル 5280 v2はレビューで「25mm以内」とされる厚さで、発売当時の800m以上の基準(25mm)には収まっていましたが、20mmは超えると考えられます。出場する大会の規定を必ず確認してください。

Q厚さと重さはどのくらいですか?

A厚さはv2の公式の数字が見つからず、国内のレビューでは「25mm以内」、初代はヒール24mmと紹介されています。ドロップは6mm(公式)です。重さは公式で約150g(サイズの記載なし)、27cmで約142gという報告があります。

Q初代の5280から何が変わりましたか?

A変わったのはアッパー周りです。ガセットタンが入り、かかとからアキレス腱にかけての形を見直して、擦れや足当たりを改善しました。レビューでは、初代のきついニットより足入れに余裕が出たとされています。FuelCellとカーボンプレート、DYNARIDEのアウトソールという構成は同じです。

Q後継のv3は出ていますか?どこで買えますか?

A2026年9月時点で、v3の発表や販売ページは見つかりませんでした。日本では、通常の公式通販にはフューエルセル 5280 v2の商品ページがなく、ニューバランスの公式アウトレットで販売されています(定価表示28,600円)。サイズや色が限られることがあるので、欲しいサイズがあるか確認してください。

Qハーフやフルマラソンで使えますか?

Aおすすめしません。クッションが最小限で、国内のレビューでは「フルで使うならキロ4分を切る走力が最低限」とされています。ニューバランスも「中距離レース向け」としているので、1マイル〜5km前後のレースに絞って使うのが向いています。

まとめ

フューエルセル 5280 v2(FuelCell 5280 v2)は、薄いFuelCellとカーボンプレート、ピン状のアウトソールを組み合わせた、1マイル〜5km前後のロードレースで速さを出すためのシューズです。薄底とは思えない反発があり、v2ではアッパーが見直されて初代より履きやすくなりました。

一方で、クッションは最小限で、かかとが減りやすく、ジョグや長い距離には向きません。今のトラックの規定(20mm以下)は超える可能性が高く、日本では公式アウトレットでの販売です。トラックのレースや足づくりにはFuelCell Pvlse v1、テンポ走はRebel v5、ジョグは1080 v15と組み合わせると、役割がはっきりします。

RUNTOKU / 中距離レーサー

New Balance FuelCell 5280 v2
New Balance

FuelCell 5280 v2

中距離レーサー
この記事を書いた人
じぇーぱぱ

[プロフィール]

  • ラントク運営 じぇーぱぱ
  • 中学、高校時代は100mを専門に活動
  • 現在は週2回の練習で、12月のハーフ120分を目指して再スタート中

この靴を履いている方は、Xで教えてください。

もくじ