ニューバランスの薄底カーボンシューズ「フューエルセル 5280 v2(FuelCell 5280 v2)」。どのくらい薄いのか、トラックや短い距離のレースで使えるのかが気になるところです。先に答えると、ソールは25mm以内の薄底で、1マイルから5km前後のロードレースに向いたシューズです。ただし今のトラックの規定(20mm以下)は超える可能性が高く、日本では公式アウトレットでの販売になっています。国内外のレビューをもとに、厚さと向いている距離、サイズ感、ライバルとの違いまでまとめます。
Review
薄いソールとカーボンプレートで、
スパイクのように路面を蹴る中距離レース用シューズ。
特におすすめなランナー
- 1マイル〜5kmで記録を狙う人
- 前足部で接地して走れる人
- 足幅が標準〜細めの人
まずは結論とスペックから
このシューズがどんな一足なのか、評価と基本データを先に押さえます。
こんな疑問を解消します
New Balance FuelCell 5280 v2 基本スペック
FuelCell 5280 v2は、薄いFuelCellフォームにカーボンプレートを入れ、前足部にピン状のアウトソールを並べた中距離レース用のシューズです。2023年1月に発売されました。2026年9月時点では、通常の公式通販には商品ページがなく、ニューバランスの公式アウトレットで販売されています。
| 価格 | 28,600円(税込・公式の定価表示。2023年の発売時は26,400円) |
|---|---|
| 重量(メンズ) | 約150g(公式。サイズの記載なし)/27cmで約142gという報告あり |
| ミッドソール | FuelCell+ カーボンファイバープレート |
| アッパー | エンジニアードメッシュ+ガセットタン |
| スタック / ドロップ | 非公表(レビューでは25mm以内) / ドロップ6mm(公式) |
| アウトソール | 前足部〜中足部:DYNARIDE(ピン状の突起)/かかと:ラバーなし |
厚さは?トラックで使える?どの距離向き?
先に答えると、ソールは25mm以内とされる薄底で、ドロップ(かかとと前足部の高さの差)は6mmです。ニューバランスは「中距離レース向け」としていて、狙いは1マイル(約1.6km)から5km前後のロードレースです。トラックで使えるかは、2024年11月からの新しい規定に注意が必要です。
| 厚さ | v2の公式の数字は非公表。国内のレビューでは「25mm以内」、初代はヒール24mmと紹介されている |
|---|---|
| ドロップ | 6mm(公式) |
| 重さ | 約150g(公式。サイズの記載なし)。27cmで約142gという国内の報告がある |
| プレート | カーボンファイバープレート(公式) |
トラックの公式レースは、今の規定では使えない可能性が高い
世界陸連(WA)は、2024年11月1日から、トラック種目で履ける靴底の厚さを20mmに統一しました。それまで800m以上の種目は25mmまで認められていたため、発売当時は「トラック800m以上の公認レースに使える薄さ」と紹介されていました。25mm近いフューエルセル 5280 v2は、今の20mmの基準を超える可能性が高いと考えてください。
トラックのレースで使える薄底を探しているなら、同じニューバランスで20mm以下の「FuelCell Pvlse v1」(プレートなし)が候補になります。出場する大会の規定は、必ず事前に確認してください。練習でトラックを走るぶんには、規定は関係ありません。
どの距離に向いている?
| 800m〜1500m・1マイル | ◎ いちばん得意。初代は海外のレビューで「本当に速い1マイルのための靴」とされた |
|---|---|
| 3000m〜5km | ◎ 国内のレビューでは800m〜10000mのトラック、5km〜10kmのロードに向くとされる |
| 10km | ◯ 前足部で接地できて脚力があれば。初代は「10km以上はなし」という海外の評価も |
| ハーフ・フル | △ フルで使うならキロ4分を切る走力が最低限という国内の評価。基本は向かない |
なお、100m・200mのスプリントに向くかどうかは、調べた範囲では評価が見つかりませんでした。「短距離」は、中距離(800m〜5km)の短いレースと考えてください。
各パーツの構造
ミッドソール
ミッドソールは薄いFuelCellフォームで、中にカーボンファイバープレートを入れています。ニューバランスは「Multi direction carbon fiber plate」と呼び、多方向に配置した形で反発と推進力を両立するとしています。レビューでは、硬めで反発があり、薄いのに意外とクッションもあるとされています。ドロップは6mmです。
アッパー
アッパーは軽いエンジニアードメッシュで、v2からガセットタン(ベロとアッパーがつながった作り)が入りました。かかとからアキレス腱にかけての形も見直し、擦れや足当たりを改善したとしています。初代のきついニットより足入れに余裕がありますが、幅はD(標準)のみで細めです。
アウトソール
アウトソールは、前足部から中足部にかけて、陸上スパイクのピンのような三角の突起「DYNARIDE」を並べています。ニューバランスは「地面を引っ掻くように食いつく」と説明しています。一方、かかとにはラバーがなく、FuelCellフォームがむき出しです。前足部で接地することを前提にした、軽さ優先の作りです。
買う前に知っておきたいこと
サイズ感・実際の使用感・耐久性と、寿命を伸ばす履き分けの考え方です。
サイズ感はどう?
先に結論を言うと、長さはいつものサイズが基準、幅は細めです。足幅は公式でD(標準)のみ。v2は初代より足入れに余裕が出ましたが、幅の広い人は試し履きしてから選んでください。
長さはいつもどおり。幅広の人は試し履きを
- 足幅(ワイズ):公式はDのみ。少し狭めですが、2Eの靴を履く人でも履ける程度という声があります。
- 甲の高さ:ガセットタン(ベロとアッパーがつながった作り)で甲を押さえるので、甲の高い人はきつく感じることがあります。
- 他ブランドとの比較:初代は、Nikeのヴェイパーフライと同じサイズで長さが合ったという報告があります。
- 特記事項:初代のきついニットから、v2は伸びのあるメッシュに変わり、足入れに余裕が出ました。
実際に履いた人のサイズの報告
足幅は公式でD(標準)のみです。国内のレビューを並べると、v2は初代より足入れに余裕が出たが、幅は細めという評価です。
| v2 | 少し幅は狭めだが、ふだん2Eの靴を履く人でも履ける程度。初代のきついニットより余裕がある(国内のレビュー) |
|---|---|
| 初代 | 26.5cmで、長さはNikeのヴェイパーフライと同じ。ただし幅はかなり細く、足が細い人向け(5000m14分台を目指すランナー) |
| 公式 | D(標準)/23.0〜29.0cm。ワイドの展開はなし |
長さはいつものサイズを基準にしてよさそうですが、幅に余裕はありません。足幅の広い人・甲の高い人は、店頭で試し履きしてから選んでください。
実際に履いたランナーの声
国内外のランナーの声を見ると、薄底とは思えない反発と、前作より良くなったフィットを評価する声が多い一方、幅の細さとかかとの耐久性、使える距離の短さを気にする声も見られました。初代の声は、ソールの構成が同じなので参考として載せています。
硬めで反発があり、薄底のレース用シューズの中では抜群。薄いのにクッションもある
初代のきついニットから変わり、足入れに余裕が出て履きやすくなった
かかとのホールドが強く、走っていてもゆるまない(初代)
一方で、次のような気になる声もありました。
かかとはFuelCellがむき出しでラバーがなく、耐久性は低そう
フルマラソンで使うなら、キロ4分を切る走力が最低限必要
幅がかなり細く、後ろ重心になるとぐらつく。レース前に慣らしが必要(初代)
寿命は何km?耐久性の目安
フューエルセル 5280 v2の寿命は、何kmという報告が見つかりません。かかとにラバーがなくフォームがむき出しなので、ジョグなどで距離を重ねる靴ではありません。レースと、ここ一番のスピード練習に絞って使うのが前提です。
距離の報告なし。レース用に絞るのが前提
- かかとはFuelCellがむき出しで、ラバーが貼られていない。かかとから着地すると減りやすい。
- ソールが薄く、厚底のシューズよりクッションの余裕が少ない。
- 前足部のDYNARIDEはピン状の突起。アスファルトで使い続けると、突起の角が丸くなっていく。
履き分けの重要性
フューエルセル 5280 v2は、レースとスピード練習の日だけに使うシューズです。ジョグやテンポ走で脚を守る役割は足りないので、同じニューバランスの現行モデルを組み合わせると役割がはっきりします。
SPEED / RACE
レース〜インターバルの日
薄いソールとカーボンの鋭い反発で、1マイル〜5kmのレースやショートインターバルに。かかとが減りやすいので、使う日を絞ります。
TEMPO / JOG
テンポ走〜ふだんのジョグの日
同じFuelCellを厚めに使った、軽くて弾むプレートなしのシューズ。薄底では脚が持たない距離のテンポ走に。
JOG / LONG
ゆっくりジョグ〜ロング走の日
New Balance Fresh Foam X 1080 v15
厚く柔らかいクッションのデイリーシューズ。スピード練習で使ったふくらはぎやアキレス腱を休ませながら、距離を積む日に。
他の選択肢と比べてみる
練習メニュー別の相性と、ライバル2足との違いから最終判断します。
どんな練習に向いている?
結論から言うと、フューエルセル 5280 v2が最も活きるのは、1マイル〜5km前後のレースとショートインターバルです。クッションが少ないので、ゆっくり走る日には向きません。
クッションが最小限で、ゆっくり長く走るとふくらはぎへの負担が大きくなります。
かかとが減りやすく、ジョグで距離を重ねる靴ではありません。
5km前後までの速いペース走なら使えます。それより長いと脚への負担が大きくなります。
ピン状のアウトソールが路面をつかみ、カーボンの反発で鋭く加速できます。
1マイル〜5km前後のロードレース向け。トラックの公式レースは今の規定を超える可能性が高いので確認を。
ライバルシューズとの比較
同じ用途で比較されやすい2足と並べてみます。
FuelCell 5280 v2と比較したいシューズを選ぶ
Nike Streakfly 2 との違い
Streakfly 2も、カーボンプレートを入れた1マイル〜10km向けのロードレース用シューズで、狙いはかなり近い一足です。約127g(27cm)とさらに軽く、Nikeの公式通販で今も販売されています。FuelCell 5280 v2はソールがより薄く、前足部のピン状のアウトソールで路面をつかむ感覚が強いのが違いです。10kmまで使える軽さと買いやすさならStreakfly 2、1マイル〜5kmでスパイクに近い接地感を取るならFuelCell 5280 v2です。
New Balance FuelCell Pvlse v1 との違い
FuelCell Pvlse v1は、同じニューバランスの薄底シューズです。ソールは20mm以下で、今のトラックの規定にも収まります。プレートは入っておらず、価格も14,850円と手ごろです。FuelCell 5280 v2はカーボンプレートの反発があり、公式の重さも150gと軽いぶん、レースで速さを出すための靴です。トラックの公式レースや足づくりの練習ならFuelCell Pvlse v1、ロードの1マイル〜5kmで記録を狙うならFuelCell 5280 v2です。
よくある質問
Qトラックの公式レースで履けますか?
A今の規定では使えない可能性が高いです。世界陸連は2024年11月1日から、トラック種目の靴底を20mm以下に統一しました。フューエルセル 5280 v2はレビューで「25mm以内」とされる厚さで、発売当時の800m以上の基準(25mm)には収まっていましたが、20mmは超えると考えられます。出場する大会の規定を必ず確認してください。
Q厚さと重さはどのくらいですか?
A厚さはv2の公式の数字が見つからず、国内のレビューでは「25mm以内」、初代はヒール24mmと紹介されています。ドロップは6mm(公式)です。重さは公式で約150g(サイズの記載なし)、27cmで約142gという報告があります。
Q初代の5280から何が変わりましたか?
A変わったのはアッパー周りです。ガセットタンが入り、かかとからアキレス腱にかけての形を見直して、擦れや足当たりを改善しました。レビューでは、初代のきついニットより足入れに余裕が出たとされています。FuelCellとカーボンプレート、DYNARIDEのアウトソールという構成は同じです。
Q後継のv3は出ていますか?どこで買えますか?
A2026年9月時点で、v3の発表や販売ページは見つかりませんでした。日本では、通常の公式通販にはフューエルセル 5280 v2の商品ページがなく、ニューバランスの公式アウトレットで販売されています(定価表示28,600円)。サイズや色が限られることがあるので、欲しいサイズがあるか確認してください。
Qハーフやフルマラソンで使えますか?
Aおすすめしません。クッションが最小限で、国内のレビューでは「フルで使うならキロ4分を切る走力が最低限」とされています。ニューバランスも「中距離レース向け」としているので、1マイル〜5km前後のレースに絞って使うのが向いています。
まとめ
フューエルセル 5280 v2(FuelCell 5280 v2)は、薄いFuelCellとカーボンプレート、ピン状のアウトソールを組み合わせた、1マイル〜5km前後のロードレースで速さを出すためのシューズです。薄底とは思えない反発があり、v2ではアッパーが見直されて初代より履きやすくなりました。
一方で、クッションは最小限で、かかとが減りやすく、ジョグや長い距離には向きません。今のトラックの規定(20mm以下)は超える可能性が高く、日本では公式アウトレットでの販売です。トラックのレースや足づくりにはFuelCell Pvlse v1、テンポ走はRebel v5、ジョグは1080 v15と組み合わせると、役割がはっきりします。
[プロフィール]
- ラントク運営 じぇーぱぱ
- 中学、高校時代は100mを専門に活動
- 現在は週2回の練習で、12月のハーフ120分を目指して再スタート中
この靴を履いている方は、Xで教えてください。
